LANZAのメンテご依頼で入庫致しました。
Y!で実働車ということで購入され、乗り出す前に当店で一度メンテして欲しいとのことでした。
お客様ご本人様は軽整備で乗りだされるおつもりでしたが、エンジンの問題のある異音、オイル漏れ、ブレーキ、スポーク錆びなどの問題がありました。
お客様にご来店いただきご相談したところ、エンジンのOHを行うということになりました。



エンジンはかかりますが異音します。
かぶり気味です。
異音と言えども、シリンダーからなのか、クランクからなのか、トランスミッションからなのか、いろんな異音があります。
乗れないことはなさそうですが、とても嫌な感じの音です。
まあ、このままだと駄目でしょう。
エンジン開けてから始めて見つかる不具合もあるのです。



良く観察すると、シリンダーは取り外した形跡がありました。
ベースにこじったような痕があります。
プロは絶対こういうことはしないので、プロではない者の仕業です。
シリンダーなら、幸い新品が出るので最悪交換という選択がありますが、ケース側は部品出ないのでやらかすとあまり良くないです。
綺麗!?な実働車両ということで、Y!販売業者さんからグーの相場に近い価格で購入されたそうですが、メンテベースとはいえ結局はY!でしか販売出来ない事情の車両だった…という事ではない事を祈ります。
私も後からY!でその車両を確認したのですが、納車整備して納車も可能ですが値段高くなります、みたいな現状販売を煽るような書き方してましたが、そもそもその整備費用で乗り出せる状態ではないだろうと思いました。(ココがミソ。)
車両代、配送費、アフター整備、登録費用を合わせるとトータルで非常に割高な買い物をしている事になります…




エンジンを取り外します。
LANZAは設計が回りくどいので、エンジン簡単に脱着出来ません。
カワサキってサクサク出来ちゃう車両多いのに。


排気側からのピストンは綺麗です。
しかし吸気側の方がダメージを受けてるだろうと思います。
ヘッドの焼け方も違う筈です。


ベタベタで、まともなメンテされていた車両とは思えないです。


まさかと思い、ローター外したら、固定のビスもローターもあっけなく外れました。
一度も外した事のないローターは結構強力に固着しているものです。
つまり何かの理由で外された可能性があります。
ビスの締め付けも緩い気がします。


ローター外したら、潰れたストッパーのスクリューがあらわれました。
やはり、いじくっているようです。
走行中にローター外れたらエンジンお終いでした。
エンジンかかっていても未整備や中途半端に手が入った中古車両、怖過ぎ。
クランクサイドシールを交換しようとしたのかな!?



って、抜けとるんかい!
恐怖と不安は加速しました。


ラジエーターキャップ開けた瞬間ウギャーってなりました。


キャブの取り外しもなかなか大変です。



キャップはしっかり固着しているので、さらに取り外しにくくなります。


オイルタンクのオイルは破棄。


エンジンマウントボルトは錆び固まってました。



たぶんLANZA一台脱着している間にKDXなら2台分脱着出来てそうです。




ドロドロは触りたくないです。
外観は綺麗目でしたが、中はこんなにも汚い…



エンジン、車体はさっと洗い、雨とお客様ご来店の為、今日はもう作業しません。
なんかいろいろあやしさ満載です。