素敵なタイトルです。
「水曜の朝、午前三時」。
著者は蓮見圭一。


札幌への往復の飛行機で、
ひとりホテルのお部屋で、
読んだ本です。


でもね・・・
美しい悲恋物語かと思いきや
実は根底に「重いもの」があるのね。


そんなに「重いもの」を持ってこなくても美しい恋愛小説を作れるのに。
(「重いもの」は、ネタバレになるので秘密。)


しかも、「ここでサラッと終わっとけば、ノスタルジックに終われるのに」という場面でこの小説は終わらなくて、それからも物語は、というか主人公の人生は続いていってしまう。


でもそれがたぶん、「リアル」なんだよね。


現実にはひとつひとつに劇的なエンディングなんてないし。


主人公の人生の決断の要因となった「重いもの」についても、今までそういう重みに直面せずにきた私には、どう捉えればいいのかわかっていないのだけれど・・・リアルの世界には、結論なんてないもの。


しかしねーうーん。うーん。
何かが引っかかって気持ち悪い。


どこかで、そんなリアルなら要らないと思ってるのかな。
青い鳥かもしれないんだけど、どんなに「重いもの」があっても何かを貫かざるを得ないような、そういう人生であれたらいいなー、と思って。


辻仁成の「サヨナライツカ」で号泣するわたしなのでね。
あれはあれで、「辛すぎ!」と思ったりもするんだけど。