スカぴあリーダーの宮川久美です。


皆様、いかがお過ごしでしょうか?


今日の横須賀ブルー湘南の「スカっとスカぴあ」は、私が担当だったのです

が、当初の予定を変更して、ある国とあるオーケストラの紹介をしました。


それがこちらのオーケストラです↓

(3年前に日本に来日した時のアンコールの演奏です)

http://www.youtube.com/watch?v=VS1tRoCAr-Q


今、飛ぶ鳥を落とすほどの勢いで世界に進出しているマエストロ・グスター

ヴ・ドゥダメルが率いるシモン・ボリバル交響楽団(ついこの間、シモン・ボ

リバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラからこの名前に改名しまし

た)ですが、何と、こちらのオーケストラと5月27日にベネズエラで行われる

ラテンアメリカ音楽祭の最終日にサルミエントス氏のピアノ協奏曲第3番を

共演する事に決まったので、そのお知らせも兼ねてのお伝えでしたが、皆

様に一番お伝えしたかったことは、このオーケストラの歴史です。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm3067028

こちらは、NHK BSでも放送された「オーケストラは人を作る」というタイトル

の番組です。

こちらを見て頂けるとこのオーケストらのどこが素晴らしいのかお分かり

になると思いますが簡単に説明すると、ベネズエラの国内は貧困で子供

が犯罪に手を出したりすることが多くベネズエラの音楽家で、政治家、経

済学者であるホセ・アントニオ・アブレウ博士はこの状況を変えるために、

沢山の青少年オーケストラを作ったのです。


博士は言います。

「貧困のつらいところは、お金がないことではなく、自分の存在を誰

も認めてくれないところです。しかし、貧しい子どもの家に先生が現

れ、楽器を渡せば、その子どもは社会人になり、社会にインクルー

ドされた存在になっているのです」


「この子どもたちは、素晴らしい音楽教育を受けました。そうすると

人間として生まれ変わるのです。音楽とスポーツは、社会開発の

プロジェクトとして、たとえプロの音楽家などにならなくとも、子ども

にはいい結果を与えるのです。市民としてこの教育は犯罪を防ぐ

のに役立つのです。これまでにベネズエラでは100万人がその教

育を受けました。100万人に達するにはたくさんの先生が必要です。

子どもたちを次の先生にすることで、短い期間で100万人にするこ

とができたのです。特にこのシステムは貧困で苦労している地域

社会を中心にしています」


今では、ベネズエラには200もの青少年オーケストラがあり、最近

改名されたシモン・ボリバル交響楽団は、そこの青少年オーケスト

ラから選抜されたメンバーで構成されたオーケストラなのです。この

オーケストラのうわさはヨーロッパに広まり、プラシド・ドミンゴやサイ

モン・ラトル、クラディオ・アバドなど、一流の音楽家が聴きにやって

きては大変な衝撃と感動を受け、「是非、彼らをサポートしたい」と、

言わしめ、世界中から招待を受けるまでになりました。

そのオーケストラの中で自らも育ったマエストロ・ドゥダメルは、28歳

で名門ロサンジェルス・フィルの音楽監督に抜擢され、世界から最も

注目される指揮者の一人になりました。


サイモン・ラトルはあるインタビューでこのように答えています。

「クラシック音楽の未来にとって重要な活動が今どこで行われている

かと聞かれれば、ベネズエラと答えるでしょう」


彼らの奏でる音楽は、本当に純粋です。喜怒哀楽とその他無数の感動

が音にダイレクトに乗って私たちの魂を揺さぶるのです。


「クラシック音楽にとどまらず、芸術と言うものは、ある一部の富裕層の

人たちのものではなく、万人のものである。」その考えを変えることなく、

「奏でて戦い抜いた」アブレウ博士には、本当に脱帽です。


5月に彼らと一緒にPlay出来ることを、本当に楽しみにしておりますし、また

とても光栄に思っております。


今度は、腕の骨にヒビを入れたり、気管支炎にかからないように最善の注意を

はらって毎日を過ごしたいと思います。



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