LINKS 30 : 吉川晃司×大黒摩季 | 七つの海をバタフライ -吉川晃司ブログ-

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異彩を放ちまくりながらも逞しく泳ぎ続ける吉川晃司。
全てのロックレジスタンスどもへ バーボンを傾けながら・・・。

大黒摩季

画像検索した彼女の写真に、何故「風俗では鼻から下を隠すのか」の真理をみた。

90年代中盤から後半を青春期として過ごした人には馴染みが深い人物だろう。
ZARD坂井泉水と共にBeing全盛期を支えた一人だ。
しかしだ。Beingを離れてからの彼女を知る人間はかなり少ない。

何故なのか?それは彼女の人気とインパクトがZARDと並んでBeing戦略そのものを象徴しているからだ。90年代のタイアップ主義とも言える。
長戸大幸が提唱してきたタイアップに特化したサビの印象度の高い楽曲と、それを作成する職業演奏家チームによるポップスの量産工場がヒルズではなくBeingの強みであった。

「いやいや、大黒摩季は作詞作曲もしているじゃない?」
との声は2001年Beingから発売されたベストアルバムでの作詞クレジット問題でも見て取れる。
おそらく我々が見聞きしていた時代の大黒摩季は何%かは本人の手によって生み出されたものではないのだろう。
少なくとも多分に手を加えられていたのは明白。「ダンサブル中島みゆき」が長戸によって明確化されたコンセプトだったのだから。

「おいおい何マキさんDisってるの?」と諸兄はお思いかもしれないが、批判をする為ではない。むしろ、彼女には称賛を送りたい。
たしかにBeingは90年代隆盛を誇った。しかし、能動的な音楽活動を続けるB'z以外は全盛期を越える事は出来ていないのも事実。

「イメージが大事な世界。それを壊すために10年かかった。」
吉川晃司はアイドルから始まりロックミュージシャンとなった。
出自はどうあれその生き様を貫く事でしか周囲を、ファンを、自分自身を納得させる事は出来ないと知っていたからだ。

大黒は2004年、武部聡志、土屋公平、真矢、恩田快人とロック界では相当な猛者とのツアーを敢行、自身の幅を広げるために新しい挑戦を続けている。

2010年には仮面ライダーオーズの楽曲を担当。
吉川は仮面ライダーWにて楽曲出演を担当したことからユニット「DaiKichi ~大吉~」(吉川×大黒によるユニット名と迫力あるPVはさながら男女版COMPLEXのようでもある)による「HEART∞BREAKER」を発表。

吉川を殿と慕う彼女にはいつしかロッカーの素養が目覚めていたのだろう。
ただ、残念なことに、この作品以降彼女は長期の病気療養治療のために姿を見せる事は極端に減ってしまった。
TVタイアップというもので一世を風靡した歌姫であるだけにTVの世界から一度身を潜めると「消えた」とされるのが悲しい世間の風潮である。
だが、我々は知っている。そうやって揶揄するような奴らは、本当に大事な物や思想のない流民である事を。

吉川晃司とて順風満帆なキャリアではない。レコード会社の移籍も個人事務所の運営も、その時々で難しい判断だったはずだ。
しかし、自分がやりたいようにやるという体制を作る事が…一音楽家、一表現者としては…ただTVに出る事、売れる事よりも時に大事な事だと吉川晃司も大黒摩季も象徴している。

彼女は今も治療とともに母校の校歌を作成するなど、出来る音楽活動を続けている。
売れた、という時代を経て彼女の中に芽生えたものはきっとそれ以上の価値なのだろう。

大吉
HEART∞BREAKER/大吉(http://v.youku.com/v_show/id_XMjI5Nzg5MDA0.html)

「迷うから正しい道を知る  負けるから負けない術を探す 完璧な人などどこにもいない」
Nobody's perfect