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聞きたくもない音楽が 君を踊らせる
眼を細めため息で リズムを取るよ
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歌というものは過去の歴史の中で祈りであり、踊りであった。それは永久未来、変わりのないもののはずだ。
だが現在、音楽は踊るためだけの道具と化しているシーンをたびたび眼にする。
象徴的なのはクラブやディスコ。
ノリのいいだけのダンスチューンで若者は汗を流す。
まるで、何かを忘れるかのように。
いつからだろう?
歌からは詩が奪われてしまった。
意味よりもノリのよさだけが強調されてしまっているのは。
「まず言葉があった」そう聖書は記している。
ラビアンローズ発表の84年、ダンスミュージックは隆盛を極めていた。お洒落できらびやかな音楽が、若者のハートを掴んでいたのだ。
都会の喧騒の中で踊り明かすための夜を誰もが求めていた。
だが、みんな気づいているはずだ。
軽くふざけた夜にはまるで中身がないって言うことを。
そして、そんな夜は永遠には続かないことを。
「聞きたくもない音楽・・・」
そんな彼だからこそ踊るためだけの音楽は作らなかった。
音楽としても、詩としても機能するダンスチューン。
80年代のエレポップ、90年代の小室サウンド、未だ誰も到達出来ていない高みに彼は挑み続ける。
ステージの上で、踊り疲れ果てるまで。
アーティスト: 吉川晃司
タイトル: LA VIE EN ROSE