土地取り引きに関する「期ずれ」は、違法行為とは言えない。もしこれを違法だとするのならば、その悪質性を証明しなければならない。土地の取得及びその費用の支払いを2ヶ月後とし、翌年の収支報告書に記載することで、小沢一郎氏並びに陸山会にとってどんな不正な利益をもたらすというのであろうか?

 検察審査会の議決文には、
「土地取得の経緯や資金についてマスコミなどに追及されないようにするための偽装工作」
とされている。
 ちなみに、1回目の検察審査会の議決分には、
「上記の諸工作は,被疑者が多額の資金を有しておると周囲に疑われ,マスコミ等に騒がれないための手段と推測される。」
とある。
 しかし、私にはこれらのロジックが全く理解できない。
 そもそも、16年度に土地を購入したことにしたら、何故マスコミに追求されるのか?
 土地取得を隠すのではなく、翌年の収支報告書にはしっかり記載するのに、それだけでマスコミに騒がれなくなるのか?2か年分の報告書を両方見ることが困難だとでも言うのか?

 いずれにしても、4億円の原資に不正なお金が含まれているということが、あたかも確たる証拠のある既定事実かのように扱われているが、これについてはすでに検察が本命視した疑惑で、1年以上総力を挙げて捜査しながらも、証拠らしい証拠が出てこなかった案件である。

 では、なぜ翌年にずらしたのだろうか?
 小沢一郎氏はこのことについて、以下のとおり、相談を受けていないのでわからない。としている。
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所有権移転日を平成17年にした理由について
そのことについては何の相談も受けていません。
購入資金は自分で出しており隠し立てする必要はないし、また所有権移転日を翌年にすることに政治的にも何のメリットもないので、何故翌年にしたのか私にはわかりません。
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http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/appear/2010/ar20100124150021.html

 では当事者の石川知裕氏はどう言っているのかというと、一生懸命web上で探しているのだが、少なくとも私は見つけることができない。検察リークによるマスコミ報道では、1回目の検察審査会の議決文にあるように、「小沢先生が多額の資金を持っていると思われないため」とする供述があるようだが、これは4億円不記載についてで、期ずれの理由にもなるとは考えられない。
 また、石川氏は保釈後、ネットメディア等いくつかの取材に応じているが、このことについては、「これから公判があるので、お答えできない」としている。

 このことについて、ネット上でいろいろ探していたら、「この土地はもともと農地であったから、わざと翌年にずらしたのではなく、当然の手続きとして翌年になったのだ」といったことを主張するものがヒットした。
 この見解について私は異論がある。少し説明が長くなるので、次回で詳しく説明したい。