橫須賀ではまもなく、「よこすか開国祭」が開催される。2003年からスタートしたこのイベントは今年で5年目を迎える。
2003年とは、ペリーが久里浜の地上陸してから150周年ということで、そこから日本の開国がスタートしたということで、橫須賀では観光イベントとして毎年開催している。

確かに黒船来航と日米和親条約締結は、日本の近代化に向けた大きな節目ではある。しかし、日本の近代化が、アメリカのおかげ、ペリーのおかげと、ペリーを英雄扱いしたお祭りは全く納得がいかない。

そもそも黒船とはアメリカ海軍の軍艦であり、大砲で威嚇しながら、武力で幕府を脅迫して日本に不利な不平等条約を押しつけて、無理矢理開国させたのである。
アメリカによる日本への侵略の第一歩がペリー来航と見るのが妥当だろう。
当時のアジアは、欧米列強による植民地化が進んでおり、無理矢理開国させられた日本は、欧米列強に追いつくことのみが、当時の国際社会の中で生き残る道だと考えたのは、ごく当然と言える。
必死に近代化を図った日本は、短期間で急成長を遂げた。
日清戦争、日露戦争にも勝利を収め、勢力を伸ばしていった。
しかし、その先にあったのは、最強の軍事大国アメリカとの戦争だった。

パールハーバーが攻撃されるのを事前に知りながら、わざと攻撃を受けておいて、「パールハーバーを忘れるな!」と叫びながら、自分たちを正当化して、日本各地の都市の上空から無差別に空襲し、最後はご丁寧に広島と長崎に2発も原爆を投下し、一瞬にして30万人もの一般市民の命を奪った。
さらに、極東軍事裁判で明らかに当時の国際法に違反している戦勝国の罪は一切裁かずに、敗戦国の日本を当時の国際法にはなかった「平和に対する罪」という罪状を後から作って、多くの日本人を一方的に裁き、処刑した。

戦後の日本はアメリカの占領下にあり、憲法も押しつけられて、戦争を放棄させられた。
そうしておいて、アメリカの都合で多くの米軍基地が置かれ、自衛隊はアメリカの戦争の支援をさせられる。
戦後60年が経った今も、日本はアメリカの占領下にあるも同然で、アメリカに逆らうことはできない。
アメリカが誤った認識からイラクに戦争をしかけても、日本の首相は、「アメリカを支持する。」としか言えない。

つまり、ペリーが来航して日本を無理矢理開国してから、日本は必死に欧米列強に肩を並べようとして急成長を遂げたものの、結局はアメリカによって押しつぶされ、大量の死者と悲劇を生み、戦後60年経った今も真に独立できない情けない国に甘んじている。
だというのに、日本は、橫須賀は、ノーテンキに
「日本の開国、日本の発展はアメリカのおかげです、ペリーのおかげです。バンザーイ!」
とでも言って、お祭りをするという。

また、1つ愕然とする情報が。
「米下院では、旧日本軍の従軍慰安婦問題で日本に公式謝罪を求める決議案を6月26日に外交委員会で採択される見通しである。」と。
自らの空襲や原爆投下による無差別大量殺戮という大きな過ちは全て正当化し一度も謝罪していないのに、
当事者でもなければ、事実関係さえ不確かなことを、60年以上も経った今騒ぎ立て、謝罪要求する人たちがたくさんいる国、アメリカ。
それでも、その国に逆らうことはできず、このことに異論を持っているはずなのにその場しのぎの謝罪をしてしまう国、日本。

憤りと無力感が交錯している。