ジュニア棋王戦 小学生の部決勝 | ののいち奇襲マニア

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先日のジュニア棋王戦

小学生の部決勝の将棋が面白かったので紹介します。

石川県強豪のHさんに解説して頂きました。



先手▲富山君
後手△池野君

◆解説図①



解説①
【後手の方針を理解して当たりを避ける】

本局は先手が角換わりを選択。
後手は△42玉~△52玉の待機策を取ったので、先手は▲46に角を据えて1歩交換し、後手は△42飛と回って先手の攻めに備えたのが図の局面です。

後手の方針は、先手から攻めてもらって△85桂の銀取りから反撃するというもの。

したがって、図で先手は攻める手ばかり考えるのではなく、攻める前に▲68銀と引いて将来の△85桂を銀取りにさせない手を選択肢に入れられるようになればいいなと思います。

本譜は▲24歩△同銀に▲55銀とぶつけましたが、結論的にはやや無理攻めでした。


◆解説図②

解説②
【反撃も歩の突き捨てから】

図は先述した先手の▲55銀ぶつけに対して△62飛▲54銀△同歩▲56歩と進んだ局面。

当初の狙い通り、後手は銀を手にして反撃のチャンスがめぐってきました。

ここで正しく指せれば後手有利になりそうです。

後手は当初の方針通り△85桂と跳ねましたが、先手に構わず▲65歩と突かれてしまいます。

△同歩には▲91角成があるので取りにくいです。

△85桂自体が悪手というわけではありませんが、同じ攻めるなら△75歩と指す手を考えてほしかったです。

桂が動いてないので先手も▲65歩と突けないほか、76に手をつけているので、次に△85桂と跳ねる手が一気に厳しくなります。

「開戦は歩の突き捨てから」という格言は、反撃を開始するときにも当てはまることが多いのです。

図で後手はまだ持ち時間を残していたようなので、ここでじっくり考えて反撃を組み立てる力がつけばグッと強くなると思います。

実戦は▲65歩以降後手に疑問手が出て、先手有利の展開となりました。


◆解説図③−1

解説③
【金なし将棋に受け手なし】

図は先手が角を切って4筋の歩の突き捨てを入れた局面。

ここで▲43金と打ち捨てた手が先手の狙いで、△同金に▲52銀と飛金両取りをかけるのが角換わりの頻出手筋を応用した割り打ちなのですが、この場合は形勢逆転で後手有利となってしまう悪手でした。

後手も▲52銀は読み筋で△32金と打って受けましたが、これも実は悪手だったのです。

43に空間をつくって駒を打ち込む先手の発想は正しかったのですが、打ち込む駒は銀が正解

同金に▲23飛成が厳しい手(変化図A)で、持駒に金がない後手は43金を受けつつ詰めろを回避する手がありません(△33金で受かる場合もある形だが、今回は▲34桂で必至がかかる)。

42玉の早逃げも34桂53玉64金で寄り筋


◆変化図A


したがって、▲43金△同金▲52銀に金を使って受けると▲43銀成が再度成立してしまうのが32金が悪手である理由なのですが、先手は割り打ちしか見えてなかったのか、▲61銀不成と飛車を取ってしまいます。

ここが後手にとって最後のチャンスでした。



◆解説図③−2

解説③ー2

先手が飛車を取った局面。

持駒の豊富な後手ですが、先手玉に迫る手がかりがありません。

本譜は△66歩と手がかりを作りましたが、これが敗着。

実は▲52銀不成こそ、後手にとって絶対に許してはいけない手でした。43の金取りであるだけでなく、次に▲41飛打ちが非常に厳しい手。

やはり金がない後手は43を補強しながら41を守る手がありません。(したがって、難易度の高い手ですが▲61銀不成に△41銀打なら後手有利でした。変化図B)

◆変化図B


▲52銀不成~▲41飛が厳しいと分かれば、戻って▲52銀と打ち込まれた局面の正しい受け方が△32銀であることにも気づきやすいと思います。

受けに必要な金を持駒に残せるほか、銀ならば41にも利いています(実際は▲52銀△32銀▲61銀不成に△41銀打や△51金打と更に受けるのが正着だが、本譜のように▲52銀不成を許して66歩と攻め合っても互角の戦いとなる)。







本譜は41飛を実現させた先手が正確な寄せで後手玉を即詰みに追い込み勝利となりました。

先手は持ち時間を使いきって秒読みに追われていたそうなので、その中で最後に正しく指せたのは素晴らしいと思います。

後手は持ち時間を使い切る前に詰まされてしまったそうで、不本意だったかもしれません。

重要なところでしっかり時間を使って考える力を伸ばしてほしいなと思います。






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