「クーリ」のあと、寿司屋で軽く一杯…って話が出てかなりそそられたけれど、3人と今日のところはお別れとする。
新富町→有楽町/日比谷→新御茶ノ水。
しばらく歩いて、アテネフランセ文化センターへ。
「ロシア・ソビエト映画史縦断」の後編のほう。→内容

アテネフランセ、何年ぶりに来ただろうか。「官僚たちの夏」でロケに使われたんですってさ。

休日のせいか、思った以上に並んでいた。
「希望の樹」(1977年)テンギス・アブラゼ
「懺悔」のように、寓意としての告発対象があるのか、いちおうは固陋な人々、旧習や旧体制とみれば済むのだろうが、多くは語りきることなく、考えさせるようにして終わる。エリオズが求めた希望の樹とはなんだったのか。
シーンを追っていくうち、前にちゃんと観たことは分かったが、いつどんなシチュエーションでだったかついに思い出せず。

「君たちのことは忘れない」(1977年)グリゴーリ・ナウモヴィチ・チュフライ
かなり昔に観た「誓いの休暇」は素晴しかったので、どんなものかと期待した。
思いがけない出来事が連鎖して、寡婦と2人の息子それぞれの運命を翻弄していく様が描かれているのだが、画面が何だかやけにくっきり映っているところもあるし、展開や仰々しい劇伴に大映ドラマっぽいものを感じた。
「君たちのことは忘れない」は、最後に出てくる、兵士たちのことを唄った歌詞から取っているようだが、原題の"Трясина"(泥沼)、あるいは"Нетипичная история"(典型的でない物語)で充分よく伝わるじゃないか。付け方の失敗だと思った。

死を覚悟の隠遁生活から自首していきなり恩赦と言われて拍子抜けになってしまったミーチャのごとく、「うーむ何なのだろうな」と思ったまま外へ放り出され、しかも映画2本の合間には苦いものがこみあげてくるような思いをしていたため、ふわふわ落ち着かない気分だ。
御茶ノ水駅へ向かう途中に大きな音がして、東京湾大華火のフィナーレが聴こえてきたと知った。