四丁目の王子ホールに19時すべり込み…
村上巌くんが出るピアノリサイタルを聴いた。

初期キリスト教の重要人物で使徒と崇められるパウロの生誕2000年ということで、2008年6月28日からの1年がパウロ年と位置づけられた。
パウロ(ヘブライ名はサウロ)は、「目からうろこが落ちた」の由来となった奇跡を経験して、キリスト教に回心した。
ローマ領内を伝道したがエルサレムで捕縛され、ローマに送られ裁判にかけられたという(ネロの時代に殉教したとされる)。
そして6月29日は、「聖ペトロ・聖パウロ使徒の祭日」だそうである。
ペトロはイエスの最初の弟子となった人物。やはりネロの迫害に遭い殉教したとされるが、このときの有名な話が「Quo vadis?」である。

演奏の合間に、晴佐久昌英神父が立って趣旨を説明した。斯界では有名な方らしい。50すぎの割に若く見える。
自らの洗礼名がパウロであるという晴佐久氏、パウロ年の最終日、そして聖ペトロ・聖パウロの祭日に何かできないかということで考えたのが、今回のリサイタルだそうだ。
村上くんの洗礼名はペトロ、もう一人の佐藤文雄さんがパウロとのこと。
この「ペトロ・パウロ」が引き合わされ、2台ピアノで演奏するという縁が、見ているこちらにとっても実に好ましく思われた。

ベートーヴェン「ピアノソナタ第30番ホ長調」作品109(村上)
ベートーヴェン「ピアノソナタ第32番ハ短調」作品111(佐藤)
(休憩)
メシアン「アーメンの幻影」
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」

アンコールに「星に願いを」を村上くんが2台ピアノ用に編曲したものを。