母からたまに


私が生まれた時の話をされます


予定日通りにきっちり生まれて来たようで


髪の毛が全然無かったのだそうです


それで、少しすると耳のそばに薄く毛が生えはじめて


それを耳にかけて可愛がっていたと


私はそれを聞いて、なんだか切なくなりました


胸がギュッと痛くなります


その赤ちゃんには


2年後に妹が産まれて


3歳くらいの時には父親の機嫌次第で頭をひっぱたかれたり


母もヒステリーな金切り声で思い通りにならない私達に暴言を吐くようになるのです


私は繊細なタチで、子供ながらに親の顔色を窺って


機嫌を取ることが得意でした


良い子を演じるのが得意でしたし


そうやって主に父親の機嫌を取れば、私は守られている、と感じて安心していました


怖いですよね


そんな小さな頃から共依存の関係で


親をコントロールしてたんですから


母に関しては


小さな女の子が


お人形さんを買って貰って


まるで


おままごとをしているみたいだな、と思えて、静かに悲しみが湧いて来ます


もう年老いた母親をそんな昔のことで責めることもできないで、掘り返したりしませんが


思い出すと涙が出ます


私の父も母も


親になるには未熟すぎたと思います


そして、私は歴史が繰り返すのを恐れていた


気づいたら、こんな歳になるまで独身だなんて


私は


赤ちゃんが欲しいと思ったことは、人生で一度もなかったです


この人の子供なら産みたい、と思う男性も居なかったな