10月21日(月) 


2023年8月1日から改修工事のため休館だったジャックマールアンドレ美術館が1年ぶりにオープン、早速行って参りました。


ここはパリで私が一番好きな美術館と言っても過言ではないくらい、お気に入りの美術館です。


ただし.....ここの常設展は好きなのですが、特別展は毎回ガッカリさせられます。

なぜかと言えばスペースに問題があって、ひと言で言えば狭い。元々は個人の住宅だった建物が美術館になっているので仕方ないのですが。


絵と距離を置いて見ることができないし、狭い空間で人が混み合うのも気に入らない理由。


しかし1年の改修工事を終えて最初の特別展にはどうしても出かけようと思っていました。


それはイタリアローマの《ボルゲーゼ美術館の傑作展》だからです。


今から30年以上前、若さにものを言わせて時間ができるとひとっ飛び、しょっちゅうイタリアに旅していた私ですが、当時ローマで1番のお気に入りがこのボルゲーゼ美術館でした。


あの頃はイタリアの殆どの美術館に(有名どころの美術館でさえも)予約無しでフラッと入ることができました。


ボルゲーゼ美術館はお気に入りでしたから時間があればフラッと立ち寄っていました。


ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの2つの彫刻にぞっこんだったからです。

Wikipedia から写真拝借です

特にこの彫刻❣️

追い詰められたダフネの身体がみるみる月桂樹に変わって行くさまをまるで目の前で見ているような臨場感。この彫刻を初めて見た時の感動は今でも褪せることなく私の中で生き続けています。


そしてもうひとつは


これが石だなんて❗️ため息〜😍

しかしどうやらこの2つはパリには来ないようです。まあジャックマールアンドレ美術館のあのスペースではどう考えても無理ですね。


それでもやはりボルゲーゼ美術館の一部分でも感じられたら幸せ🥰と言うわけで行って参りました。




前もってチケット購入済みですがそれでも入るのに少し並んで待たされました。










特別展の展示場に入ってまず最初にビデオでちょっとお勉強です。




今回の特別展の広告にも使われているカラヴァッジョの『果物籠を持つ少年』



ラファエロ・サンティ『一角獣を抱く貴婦人』

同じくラファエロの《ラ・フォルナリーナ》




ルーベンスの『スザンナと長老たち』



レオナルド・ダ・ヴィンチの《レダと白鳥》



ジャコポ・バッサーノの《羊飼いの礼拝(崇拝?)》


その他多数・・・














一年ぶりの開館とあってお気に入りのカフェは待つ人で長蛇の列、また日を改めて来る事にしましょう。カフェだけならチケット不要ですからいつでも来られます。



ちょっと淋しい感じの秋の植物たちです。
















昔々のローマの懐かしい日々を思い出すきっかけとなったこの特別展に感謝です❤️


10月26日(土) 14時


9月21日に観たモリエール『病は気から』以来、約1ヶ月ぶりのコメディ・フランセーズ観劇です。


演目はニコライ・エルドマンの戯曲《自殺者》

コメディ・フランセーズの新作で本年10月から来年の2月初旬まで上演されます。


実はこの演目には、4月のコンサートで共演し既に皆さまにもお馴染みのヴァンソン・ルテルムがピアニストとして舞台に載っています。

↓予告編



フランス語のお勉強をなさりたい方はいこちらもご覧くださいね。



9月末ごろ、コメディ・フランセーズのFBで見つけたこの1枚


あれ😳!左から2人目の人、もしかしてヴァンソン?

早速本人に確認したところ「そうそう〜まさしく私です!」との返事。


なので今回はピアノの演奏のみでなく演技もあるんだろうな〜と想像していました。


今までにも様々な舞台を見てきたので彼が役者顔負けの演技派であることは知っています。

のみならずピアノを弾きながら一緒に歌も歌ったり、ハモったりと声も歌手並みです。(クラシック歌手とではなく歌の上手な役者さんが歌う場合に限りますが)。


今年5月〜7月までコメディ・フランセーズで再演された《Mais Quelle Comédie !》(しかし、なんて芝居だ!) の舞台でも、とてもお茶目な演技付きでピアノを弾いていました。

とは言うもののあくまでパントマイムのような『無言の演技』でした。


さて、今回の舞台ではどんなかな〜?


客席に着いてみると今回の舞台では緞帳は最初から上がっています。


今回は舞台真下のかぶりつきの席はやめて、少し後方から舞台全体を見ることにしました。


あ!ピアノは上手(かみて)ですか.......

因みに、私が到着する開演30分前はこんなにガラガラの客席ですが開幕直前には満席🈵です。


さて、客電が落とされて真っ暗になり一番最初に舞台に現れたのはヴァンソンでした。

目立つ登場の仕方だからきっと本人もすごく気に入ってるんだろうな〜とニヤニヤする私😝

写真がないのが残念ですが.....


《自殺者》という一見深刻そうに思えるタイトルですが実はドタバタ喜劇です。(もちろんその奥深くには重いテーマが潜んではいますが!)


喜劇はこの劇団の最も得意とするところ!

客席からは爆笑の大合唱です。


そしてなんと❗️今回はヴァンソンが喋る台詞も幾つかありました。

いよいよ役者デビューね😉😝おめでとう㊗️

本人もノリノリで演技しているのが手に取るように伝わってきました。


カーテンコール



そうそう、実はギタリストとしてダブルキャストではありますが、ヴァンソンの息子マルタンも出演しています。

残念ながらこの日はマルタンは載っていませんでしたけど.....

向かって右から2人目の赤いベストが今日のギタリスト。


休憩なしの2時間15分、笑いっぱなしであっという間でした。

これだけ大ウケの舞台だから来シーズンも再演されることでしょう。次回観に行く時はマルタンがギターを弾く日に当たると良いなあ〜🤩












サンメリー教会のコンサート
短い準備期間でしたが、お客様には大変ご満足いただけた、という手応えを残して無事終了致しました。





アンコールには3曲歌いました。


最初の曲は元々歌う予定だった『崖の上のポニョ』のテーマソングです。

実は.....動画もちゃんと撮っていただいたのですがYouTubeにアップするのはやめました。

それにはちょっと訳がありまして・・・


ジャズピアニストからアドリアンに急遽転送された楽譜の内のいくつかは伴奏が書き込んでない譜面だったのです。ジャズの人たちは音符を見て弾かずにコードだけで弾くからなのですが、アドリアンはクラシックのピアニスト、当然のことながら伴奏譜は必要です。

その件で困っていたので私の持っていた伴奏付きの譜面を渡しました。

しかしここで問題が!

多くのアニメソングのオリジナルキーは私の声には低すぎるので、このポニョもオリジナルよりも全音上げて歌うことにしました。

オリジナルはヘ長調ですが私はト長調で。

しかし私はこの曲のト長調の楽譜は持っていません。

可哀想にアドリアンは5日間で譜読みと同時に移調もしなくてはなりませんでした。

もちろん殆ど問題なく弾きました(なので普通のお客様には気づかれなかったと思います)が、聞き返してみると多分本人にしてみたらちょっと不満が残っているかもしれないな・・・と感じたので敢えてYouTubeにはアップしませんでした。悪しからずご了承くださいませ🙇‍♀️


2曲目のアンコールはプッチーニ作曲のオペラ《ジャン二・スキッキ》から『私の愛しいお父さん』を演奏しました。

当初はジャズピアニストとの共演という事で100%諦めていたジャンルですが、アドリアンに聞いたところ彼もこの曲は大好き、と言うのでコンサート前日に急遽アンコールに加えました。



3曲目は10月17日のスーパームーンを念頭において『十五夜お月さん』を歌いました。

こちらも前日になってアンコールに加える事にしました。



今回のコンサート、直前のピアニストの降板で色々ありましたが、結果的にはピンチヒッターとして現れた若手正統派クラシックピアニストと共演することになって「音楽の神様は私を見捨てなかったなあ〜🥰」と感謝の気持ちでいっぱいです🩷


なにより嬉しかったのは・・・


私は《譜面たてを置かずに暗譜で歌う》事を厳しく自分に課していますが、ジャズピアニストと歌う場合は譜面たてを置かないで歌うのはちょっと危険で無理なのです。

伴奏に気を取られたり『え❗️🙄』と思ったりする事が度重なると集中心が途切れてふっと歌詞が消える、という事が起こります。

なのでコンサート6日前までは譜面たてを置くしかないと決めていましたが、ピアニストの交代劇のお陰で譜面たて無しで歌うと言う自分のスタイルを貫くことが出来ました。感謝🩷


日本から来仏中の友人から頂戴した綺麗な花束💐


今回で4回目となるサンメリー教会のコンサートですが、回を重ねる毎にお客様が毎回確実に増えてきているのを実感致します。
クラシック音楽の場合、縁故関係のお客様が殆どという日本と違って、こういう所がフランス🇫🇷の魅力だなあ〜とつくづく思います。
集客の事を気にせず演奏だけに集中出来る環境が日本にももっと整って行く事を若い人達のために願ってやみません。