翠邑日誌 Suiyu’s Diary

 

榎本翠邑

 

元書法展会員、元太玄会会員、元瑞雲会評議員同人、元全国書道師範連盟会員、

元東京書道教育会会員、英国ではブルネル大学ギャラリー、アルバートホール等での展示、

BBCテレビ「天皇」等があり、また「俳画」、「水墨」、「書」、「花」等の

書の担当での出版物があります。 

東京生まれ。

 

 

 

百人一首 72  祐子内親王家紀伊  

 

1月 百人一首 72 

祐子内親王家紀伊

 

あけましておめでとうございます。

2023年

 

©翠邑 画と書 

翠邑の年賀状

 

祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)

 

音に聞く 高師の浜の あだ波は

 かけじや袖の ぬれもこそすれ

 

おとにきく たかしのはまの あだなみは

 かけじやそでの ぬれもこそすれ

 

 

©翠邑 書

 

浮気で有名なあなたからの言葉なんかに

乗らないわ。

うっかり乗ってしまえば、

後にはつれなくされて袖を涙で

濡らすハメになるじゃないの

 

噂に聞く、高師(たかし)の浜に

寄せ返す波にかからないように

しなくっちゃ。

袖が濡れたら大変じゃない。

 

 

「金葉集」の詞書によると、

この歌は1102年5月に催された

堀川院艶書合(けそうぶみあわせ)で

詠まれたものでした。

 

「艶書合」は、貴族の男性が恋の歌を

女房に贈り、それを受けた女房たちが

返歌をし、それぞれ競うというもので

歌合のゲームでした。

 

これに対して返したのが、紀伊の歌でした。

 

29歳の若き俊忠が70歳の女房の

紀伊に恋歌を贈ることになりました。

 

俊忠の歌を見事に返した紀伊はやはり、

素晴らしい才能の歌人でした。

贈歌は、藤原俊忠が詠んだ

 

人知れぬ 思ひあり その浦風に 

波のよるこそ いはまほしけれ


私は人知れずあなたを思っているよ。

荒磯(ありそ)の浦に波が寄せるみたいに、

夜にはあなたの元へ行きたいな。

 

「寄る」と「夜」、「思いありその」と

「荒磯(ありそ)」を掛けた歌です。

 

©japansumie

 

お返しの譜は

 

音に聞く 高師の浜の あだ波は

 かけじや袖の ぬれもこそすれ

 

浮気で有名なあなたからの

言葉なんかには乗らないわ。

うっかり乗ってしまえば、

後にはつれなくされて袖を涙で

濡らすハメになるじゃないの。

 

噂に聞く、高師(たかし)の浜に寄せ返す

波にかからないようにしなくっちゃ。

袖が濡れたら大変じゃない。

 

「音に聞く高師の浜に寄せ返す波」は

「評判の高い」相手の浮気心を

掛けたものです。

 

艶書合の席で29歳の藤原俊忠の詠んだ

恋歌を、皮肉ある素晴らしい譜で

返した紀伊の熟練された恋の和歌

の高尚さは見事なものでした。

 

 

翠邑の下書き

©翠邑 書

 

 

祐子内親王家紀伊

(ゆうしないしんのうけのきい)

 

祐子内親王家紀伊

(ゆうしないしんのうけ の きい)

一宮紀伊 (いちのみやきい)

紀伊君とも呼ばれています。

 

生没年は不詳、

平安時代院政期の女流歌人で、

後朱雀天皇の皇女祐子内親王の女房。

 

従五位上民部大輔春宮亮平経方

(たいらのつねかた)の娘とも、

藤原師長の娘である

堀河院御乳母典侍紀伊三位師子と

同一人物ともいわれていますが

父親は定かではありません。

 

©japansumie

 

 

母親は後朱雀(ごすじゃく)

天皇の第一皇女、祐子(ゆうし)内親王

に仕え、「岩垣沼の中将」の作者

祐子内親王家小弁(こべん)です。

 

紀伊自らも母と同じ

祐子内親王家に仕えました。

 

夫は紀伊守を務めて出家した

素意法師(そいほうし)俗名は

藤原重経(しげつね))の妻

または妹という説があります。

 

紀伊の名前は、藤原重経が紀伊守

だったところからきています。

 

©japansumie

 

紀伊が宮仕をした後朱雀天皇の

皇女祐子内親王(ゆうしないしんのう)

(1038ー1105)は68歳で亡くなり

ましたが、歌合を盛んに催すなど

一大サロンを形成し、歌人の

祐子内親王家紀伊や菅原孝標女など

が仕えたことで知られています。

 

祐子内親王家紀伊の和歌他の経歴

堀河天皇のとき、74番、源俊頼(としより)、

源国信(くにざね)らが中心に、

当時の有力歌人に詠進させた

百題による百首歌(組題百首)

「堀河百首」が作られました。

 

紀伊は16人の作者の中の

一人に選ばれました。

 

「後拾遺集」以下の勅撰集に

31首が入集しています。

また女房三十六歌仙の一人です。

 

 

ではまた、ごきげんよう。

 

ありがとうございました。

ドンッドンッドンッドンッドキドキドンッドンッドンッドンッ

 

 

 

ごこれからもよろしくお願い申し上げます。

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ありがとうございました。

 

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