輝いて!西武庫初年剣友会!

2024年1月7日、今年の稽古始めであります。52回目です。

 

 正月、しみじみ51年間を懐かしんでみました。そして、沢山の卒業生たちやお世話頂いたご父兄の皆さん方と、今一度、西武庫を振り返ってみたい、と、思いました。50年前と現在は、剣道界も、いや、剣道その物が大いに変わりました。でも、”いや、西武庫は西武庫のままで、ここに居りますよ!”と、皆さんに申したいのであります。

 

 昭和47年5月、小学一年生になったばかりの山口君に竹刀を握らせたのが、西武庫少年剣友会のスタートです。

その年の1月、私共に、長男将平が生まれました。これからこの子をどう育てたらいいのか、いろいろ考えあぐねていた時、妻が「山口君に剣道を教えながら逆に勉強しましょう」と5階の山口君をつれてきました。

それから、毎日夜、団地内での二人の素振りが続きました。

すると、いつの間にか、団地内の子供たちが集まってきて、11人になりました。

 

 夏になると、近所から「やかましい!」と苦情があり、熱心なご父兄たちの勧めで武庫川の土手に移りました。子供たちも増えて24名になりました。

秋になり、寒くなり団地の集会所に移り、そこで「西武庫少年剣友会」が発足するのです。

大阪府警剣道師範の西 与藤次先生に師範をお願いし、私の勤務先の剣道部員6人くらいが参加して発会式をやりましたね。

 

 そのうちに、子供たちも30名ぐらいに増えて、集会所では狭くなり、武庫小学校の体育館に移りました。その時、私は一つの事に気づきました。

それは、子供たちが、全員西武庫団地の子供たちであることです。

私を含め、親たちは全国から集まってこられているのです。故郷は、遠くにあるのです。そして、この地で生まれ、この地で育つこの子供たちの故郷は、ここ西武庫なんだ!と。

 よし!この西武庫の子供たちに”思い出多い故郷を残してあげよう!”と思いましたね。ご父兄たちに話すと大いに賛同していただき、”西武庫に思い出多い故郷を作ろう!そして、日本国の財産たちを育てよう!”を創設の理念にしました。

加えて、”剣道は基本第一だ。素振りだ。毎日素振りを続けよう”を西武庫剣道の指導理念としました。

 

昭和47年11月に西武庫少年剣友会の歌」を発表しまあした。

         ”強い体で正しい剣を、僕らは闘志の少年剣士!

           暑さ寒さは何のその、気力あふれる剣の冴え!

            腕の兜が、勇んでる!

          おお!なにくそ!なにくそ!がんばろ!

          やるぞ!ぼくらの西武庫少年剣友会!

          オー!!”

 お恥ずかしいながら私の詩に、ヤマハ音楽学校の先生が曲を書いて下さった作品であります。

現在も稽古の前に子供たちが全員でこの会歌を歌い、大いに気合を入れて稽古しています。

  伝統を、続けて歩いてくれている杉原会長に感謝であります。

 

 早いもので、杉原君が会長を引き受けてくれて、12年目になります。西武庫団地以外の尼崎地区の遠いところから,わざわざ西武庫に入会した第一号の少年でした。そして、40周年を終わったところで、半分無理矢理に会長を押し付けられ、一時130名もいた子供たちも今は10分の1ぐらいになり、選手の構成にも苦労しながら、あちこちの大会に参加しています。

 

しかし、彼の子供たち接する”熱い情熱”は素晴らしい!の一言で有ります。

時々、大会の負けに悔しがり電話がありますが「いいじゃないか!西武庫の剣道をして負けたのならいいじゃないかい!子供たちは、何かを掴んでるさ!」と伝えています。

 

 余談ですが、少年剣道の世界で、他所の団体の主力選手を集め、どの試合に優勝したとか、何位になったとか自慢している指導者や父兄たちがおります。悲しくなります。プロの世界ではありません!”強い火の玉人間を育てよう”と、あるべき少年剣道の世界がこんなことではいけません!ならば、その団体で努力してきた子供たちの努力は、一体何だったのかい?その方を考えるのが少年指導の原点じゃあないのかい!馬鹿垂れ!声を何を考えて生きとるんじゃい!と一喝します。父兄たちも父兄たちですがね!

 

 最後になりますが、少年剣道界に一言申し上げたい!

大会が多過ぎます!子供たちに試合のあの緊張感、一途な努力の成果を確認をさせる事は必要です。しかし、試合にばかり拘らせると、基本が乱れます!基本の出来ていない習い事は、絶対に上達しません!何事も、基本第一であります!

これは、恩師掘田 国弘範士、児島 克範士、西 与藤次教士の教えであります!

                          最敬礼!であります!

 

 どなたさんも、心して修業しましょう!

                             酔天牛 川口 仙次郎