さて、今日はスタジオで(h)は何をすればいいのか・・・
ワカメ氏にメールで尋ねてみる。
「今日は録音をお願いします。
 機材の名前がわからないのですが、シーケンサーとキーボード?と録音マイクを持ってきてほしいです」
と返メールがある。
生演奏の収録になんでシーケンサーが必要なんだろう?
それに、録音マイクくらいスタジオに常備されているのじゃないか?

まあいいか。ベースもギターも(h)が弾く必要がないなら、持って行くまでもあるまい。
というわけで、YAMAHA QX3(シーケンサー)とCBX-K1(midiキーボード)等を持って行くことにする。
しかし、なんとなく嫌な予感がしたので、
ZOOM PS-04(デジタル4トラックレコーダー)とミニ・アンプも荷物に加える。

スタジオの入っているビルに着くと、ワカメ氏などが荷物の搬入作業中。
入室手続きをしてスタジオに入って、びっくり。
・・・ギター・アンプもPAも、マイクもない・・・
あるのはアップライト・ピアノだけ。
・・・これで何を録音するつもりなんだか。
「オペレーターが操作してくれる録音スタジオも、同じフロアにあるみたいなんですが、
 大介が『(h)君の機材で、(h)君に録ってもらったほうがいいんじゃない』っていうので・・・」
とワカメ氏。
ちなみに、K市立大学の人類学ゼミではT教授のことを、親しみをこめて「大介」と呼びます(苦笑)

それは、構わないけど。じゃ、なんでMTRを持ってくるように返メールしなかったのだろう?
「PS-04」もMTRの一種ではあるが、4トラックでは、この編成
(ドラム・トロンボーン・サックス・トランペット・ホルン・フルート・ピアニカ・ボーカル・コーラス・語り)
を個別に録るのは難しい。

「まず、みんなで一曲を通して録って、それを聴きながら個々の楽器を別録りしていって、
 楽器ごとに修正や調整をしていきたいんです。そういうことできますよね?」
とワカメ氏。
「・・・今、ここのスタジオにある機材だけじゃ無理だよ。
 だってマイクもモニター用のミキサーもヘッドホンもない。
 だいいち、この編成に対応できるような録音機材がない」
と(h)が答えると、
「だって、それに録れるんじゃないですか?」
とワカメ氏がQX3を指す。
・・・(ため息)
「シーケンサーは、midiデータを記録したり編集する機械で、録音はできないんだよ」
「意味がわからないです。私、ほんとに機材のことがわからないんです」
「オペレーター操作してくれる録音スタジオに変更できないのかな?」
「受付で聞いたらオペレーターの人が、もう帰っちゃったみたいで変更できないらしいです」
「それじゃ、今日は録音はできないな」

防振マットを敷いて、持ち込んだドラム・セットを組み終わったマガジン氏が、(h)にたずねてくる。
「それ(PS-04)じゃ、録れない?」
「バックバンドの音とは別に、ボーカルを重ね録りする程度のことはできても、
 ワカメさんが言うような高度な録音は、これ(PS-04)だけじゃ難しいです」

さてさて、どうしたものか・・・
こんなことだったらギターかベースを持ってくるべきだったな。
ドラムのマガジン氏とトロンボーンのモヒ氏と(h)で、
ジャム・セッションをしながら、新しいアレンジを考えたりできたのに。
・・・そういえば、昨日T教授が語ってPS-04に録った「アレンジ案」を、まだ譜面に起こしてなかったな。
PS-04をミニアンプにつないでT教授の語りを再生してみる。
すると・・・