
先日のブログで話題にした脳内での情報処理速度ですが、
おそらく、音色やリズムの認識形態と密接な関係があります。
♪=120の時の16分音符の長さが125msec。
32分音符となると62.5msec。
脳内での知覚プロセッサの動作速度の平均が70msecですから、
速いテンポの曲だと、32分音符は一つの音符として認識できないかもしれないのです。
つまり拍子としての認識ではなく、
脈動(蜂の羽音のようなブーンという低音)として聴こえてしまう可能性が出てくるのです。
もっとも、そんな速い音符は演奏も困難なので、あくまで認知理論上のことだったのですが・・・
電子楽器(シンセサイザーやシーケンサー)の登場が、
その限界面での新しい音楽表現の可能性を捉えました。
細野晴臣さんは、それにいち早く気付き作曲や編曲に取り入れた音楽家の一人でした。
アルバム「S-F-X」や「omni sight seeing」の中で、リズムマシンTR-808にプログラムされた32拍子は、
電子機器を駆使したサウンドにもかかわらず、無機的でも冷徹なものでもなく、
音と戯れる原初的な有機感覚を、聴く者に与えてくれました。
そんな細野晴臣さんの編曲手法が、最もポップな形で実ったのが、
ジョン・レノン生誕50周年記念アルバムに収録された「Dear Prudence」でしょう。
ボーカルを担当しているのは、ジョン・レノンの息子さんのショーン君です。
ちなみに、この曲は(h)がDJ時代に多用した思い出があります。
特に12月のイベントで・・・