昨年(2023年)12月の「くるくるサロン」は、大阪学院大学の三輪信哉先生のお話でした。「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」をご存じでしょうか。ハンス・ロスリングと彼の息子夫婦の著書で、世界中で300万部を超えるベストセラーになったという。2019年に日本語版が出版された。「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」との副題がついている。
この本のイントロダクションに世界の事実に関する13問のクイズ(3択)が載っている。三輪先生は話の初めにそのクイズを参加者に投げかけた。私はこの本を2019年に読んで著者の主張に大いに共感した覚えがあり、クイズにはほぼ正しく答えることができると思っていたが、なんとたったの3問しか正解できなかった。3択問題なのであてずっぽうに答えても3分の1:4問は正解できる計算となり、チンパンジーにも負けた、といわれてしまった。参加者のほとんどが似たり寄ったりの正解率だったが、ショックは大きかった。
質問の例をあげれば、次のようなものだ。
質問1現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
A 20% B 40% C 60%
質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A 約2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった
質問9 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいでしょう?
A 20% B 50% C 80%
難しい質問でもないように思えるでしょうが、さて何問正解できたでしょうか。(答えは最後に記してあります。)
何故正解できないのか。その理由は、本書によれば、人は「ドラマチックすぎる世界の見方」という先入観を持っており、それはドラマチックな物語を好む本能による。そこで、この本能(思い込み)を10の側面から解読し「事実に基づく世界の見方:FACT FULNESS」を身に着ける方法を語っているのがこの本だ。
ごみ問題を考えるにあたってもFACT FULNESSの心構えは必須と思う。
ご一読をお勧めする。
(答えは、C,C,C)