9月12日に廃棄物資源循環学会の研究発表会 特別プログラムとして
「技術も心も最先端 プラスチックやごみ排出を取り巻く最新動向」という長いタイトルの発表会を傍聴しました。学会誌でその概要が今後報告されるようですが、ここでは恐らく公式には共有されないであろう「取って置きの特ダネ?」をかいつまんで共有したいと思います。週刊誌の3面記事の切り貼りみたいになりますがご了承ください
◇環境省 近藤課長
・総務省と連携して、プラスチック一括回収を実施する自治体の収集運搬費用の
2分の1を特別交付税として補助している
・住民がプラスチックの分別回収に前向きに参加するにはチラシ等だけではなく、
住民説明会が重要と理解している
◇花王
・これまでにプラスチック使用量を79%削減できた
・回収したPE(ポリエチレン)の70%を水平リサイクルできている。残渣の
30%もブロックやパレットなどにカスケード利用できている
➡回収方法についての説明はありませんでしたし、また回収率など課題もあるで
しょうが、リサイクルに携わる企業人としてこの進捗状況は賞賛に値すると思
います
・詰め替え容器は日本だけで普及している仕組みである
◇川崎重工
・ロボットによるごみ選別は日本での人口減対応策として今後有力になる
◇イオン
・世界中の18000店舗が資源回収の有力拠点になることがわかった
・京都の北大路、桂川店舗では同志社大学との協業でプラスチックごみを1トン
回収したら製品化する方向で研究をしている
・使い捨てプラスチックの削減策である「Loop」に取り組み始めた。現状ではまだ
まだ利用者は限られており容器回収率は30%と低いが興味ある試み(注:Loop
(ループ)とは、従来、使い捨てされていた洗剤やシャンプーなどの日用消耗品
や食品などの容器や商品パッケージを、ステンレスやガラスなど耐久性の高いも
のに変え、繰り返し利用を可能にする新たな商品提供システムのこと)
◇ピリカ
・当社のごみ拾いアプリは世界中で250万人が利用、3億個のごみが回収されて
いる
・国ごとの特徴で興味深いこと:日本でSNSに投稿されるのは、ごみそのものの
写真ばかりだが、ベトナムではごみを回収する人が(ごみとともに)写真におさ
まっている。ベトナムは人が中心(=ネットワークができやすい)
・ピリカでは流出マイクロプラスチックの約20%が人工芝であることを突き止め
た
◇近畿大学 石村先生
・ごみ減量化・リサイクル行動を経済学の立場から研究している。例えば、ごみ
削減や分別は罰則や報酬がないのになぜ進むのか等
・ごみ削減や分別を促す要因は
① 経済的動機 ② 機会費用 ③ 規範意識 の3つ
・機会費用に関しては 「高所得者ほど詰め替え容器を使わない」という研究が
ある。詰め替えにかかる時間が機会損失になるから
断片的ではありますが、個人的には「目から鱗」の情報がちりばめられており有意義な時間を過ごすことができました。独り占めするのはもったいないので「目から鱗」の部分だけを切り取って共有させていただきます