4/10カイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」#1 | もうね。なにがなんやら

4/10カイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」#1

今回は4/10に行われたカイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」@渋谷チェルシーホテルの模様をレポートしたいと思います。カイジューバイミーのレポートは自分の中で整理するのに時間がかかってしまうので、いつも遅れ気味で旬を過ぎてしまいがちなのですがご勘弁ください。



○ライブ概要

カイジューバイミーは2021年にデビューした4人組グループです。同年11月にアルバムが発売されリリースイベントが行われておりましたが、現在は対バンなどのライブ活動がメインとなっております。今回はワンマンライブで「雷進撃」と銘打たれたシリーズは3回目。前回のレポートで私は定期公演然としていると書いたのですが、今回メンバーより定期公演ではない旨、明確なコメントがありました。それについてはまた後ほど書いていきたいと思います。

 

今回会場となったのは渋谷チェルシーホテルです。渋谷駅から見て東急ハンズの奥にある雑居ビルの地下1Fで、同ビルにはミルキーウェイなどもあります。チケットはソールドアウトとなっており、お客さんはざっと数えて100人くらいといった感じでした。客席エリアだけで見ると小規模ライブハウスと言って良いかなと思います。客席エリア前方はフラットで後方には段差がありますが、身長が低い人にはちょっと見にくいかも知れません。公演は18:30からの1回のみ。実際のライブスタートは約2分遅れ、終了は19:40まででしたので約1時間10分の公演時間でした。

○ライブ本編について

それではまずセットリストから書いておきたいと思います。


4/10 カイジューバイミー「雷進撃~光と腿と堪能編~」

@渋谷チェルシーホテル セットリスト

01.マッカ帝国
02.ロンリーデイズ
MC
03.絶望にもファンファーレは響く
04.スタンドバイミー
05.永遠のメロディ
06.フリージア
07.無人島カルテット
08.全力シルエット
09.RAIGEKi
10.純白少女
11.ブラックホール
アンコール
en1.マッカ帝国
en2.スローモーション

ライブ始まってすぐ、オーバーチュアからソロダンスの流れは毎回同じ。衣装もこれまでと同じパッチワーク柄のもの。アンコールを含めての13曲という構成というところも大体前回の雷進撃と同様ですが、それ以外の部分で今回は色々特徴的なことがありました。まず何と言ってもMCが途中1回しか入れていないことでしょう。これまでカイジューバイイミーのワンマンライブを何回か見させていただきましたが11曲連続というのは初めて見ました。2曲目の後に入れたMCも普段は行われる自己紹介も省略、ライブ本編はかなり切り詰められており、とにかく歌いまくったという印象です。今回長めのMCが入ったのはアンコールを受けての再登場、en.1曲目の前のタイミングのみでここで約15分を使って、各メンバーの思いが語られました。

○ライブ前半

1曲目「マッカ帝国」は新曲でした。イントロが流れた時点でこれまでカイジューバイミーのライブでは聴いたことがない曲だと分かったのですが、最初はカバー曲かなと思いました。なぜカバー曲だと思ったのかと言いますと、それは事前に告知されていなかったからです。今回のライブ前、前回のライブのレポートを書いていたので、カイジューバイミーに関わることを結構細かく見ていたのですが、私が知る限り新曲を披露するということは匂わせることもさえもされていなかったと思います。一般的なアイドルグループですと集客に有利となるよう、何かがあることくらいは告知されますが、カイジューバイミーはありませんでした。さらに2曲目の後MCがありましたが、そこでも言及なし。実は新曲でしたと明らかにされたのはアンコール後のMCでした。こういった部分、カイジューバイミーは本当に変わっているなと思います。はっきりとは言われませんが、エレナちゃんは時折、営利目的のみでライブをしていないということを語られていますが、セールス的に有利な一手となるであろう新曲投入というカードをあっさり切ってしまうあたり、エレナちゃんの語るところは本当なんだなと思います。

 

 

曲自体の感想として特徴的に思ったのは、サビをエレナちゃんのみが歌っている点です。一方、この曲では菜月ちゃんがあまり目立たないように思いました。華希ちゃんは「心臓ちょうだい」というどきっとするようなセリフがあり、曲のイメージを大きく左右する重要な役どころを担当しています。ミーアちゃんは2番のAメロを担当しており、どこか狂気をはらんだ感じがとても合っていたように思います。先に書いてしまいますが2曲目「ロンリーデイズ」でも1番のAメロの最初をミーアちゃんが担当されていますが、ここも曲調に合わせた歌い方をされていて、器用さを見せられていました。菜月ちゃん、エレナちゃん、華希ちゃんと強烈な個性を持っているのに対し、曲調に合わせた歌い分けが出来るミーアちゃんの特徴がとても活きていますね。ダンスは前奏からっ手の甲を客側に向け上下させるシンプルな振り付けが繰り返され、振りコピが楽しそうです。カイジューバイミーは歌のインパクトが強いのでそちらに注目が集まりがちですが、この曲では客側の盛り上がり方をリードする踏み込んだ姿勢を感じました。

 

MC終えてからの3曲目「絶望にもファンファーレは響く」でした。ここで印象的だったのは間奏明けの場面。メンバー4人が肩を組んだ状態での菜月ちゃんのソロパートがあるのですが、菜月ちゃんはこれに加わりませんでした。また最後のポージングはメンバー全員、客に背を向けた形になります。客との距離感、さらに間奏明けの菜月ちゃんの振舞いを見ていると、お客はもちろん、メンバーに対しても安易な仲間意識を拒否しているようであり、歌だけではなく、こういった積み重ねがカイジューバイミーの異質感を醸成しているように思いました。一方で4曲目の「スタンドバイミー」は「絶望にもファンファーレは響く」とは対照的。特に曲の最後、照明がだんだん明るくなっていく演出がされており、希望を感じさせるエンディングとなっていました。今回会場となった渋谷チェルシーホテルはステージの大きさが前回のSHIBUYA CYCLONEより少し狭く、照明も上からのみ。後から強烈な光を当てて影だけを残す等々凝った演出が出来るのは前回渋谷SHIBUYA CYCLONEの方かなと思いました。逆に言うと今回の渋谷チェルシーホテルはシンプルなだけに陰陽がはっきりしたメリハリのある演出がされており、一概にどちらが良いとは言い切れないかなと思いました。音自体はバスドラムの音に合わせて空気が揺れる感じがあり、SHIBUYA CYCLONEより低音が効いていた印象を受けました。

 

5曲目「永遠のメロディ」は暖色系を中心とした照明が使われており、こちらもシンプルでメリハリの効いた演出に思いました。この演出に合わせてか、歌っているメンバー以外は照明外に立ち、うっすら見えるくらいで存在をあえて消すかのよう。そしてメンバー全員がステージの一番奥で迎えるエンディングもまたうっすら見えるくらいで、こちらも敢えて存在を曖昧にしているように思いました。踏み込んだ解釈をすれば、肉体が消えた後にも残る「永遠のメロディ」を暗示しているようです。印象は受ける側それぞれかと思いますが、味わおうとすればその分の味がある深い作り込みを感じますね。続く6曲目は「フリージア」。ここでも曲調に合わせたミーアちゃんの歌い分けがとてもはまっていたと思います。また今回のライブを通し、ミーアちゃんは音程やリズムにおいて不安定な部分が一切無かったように思います。私が見た限りでは過去一番のパフォーマンスでした。そんな好調さを感じさせるミーアちゃんからエレナちゃんへつなぐ場面、これは1番のBメロ、2番Aメロが同じ組み合わせになっているのですが、二人の声の相性の良さを感じますね。曲中、最も聞いている側の気持ちを高めるところではないかなと思います。そしてもう一つ見どころは間奏明け、ステージを真っ暗にした中での菜月ちゃんのソロ。この曲の中にある普遍的なテーマ性を感じます。この曲もまた味わい深い曲ですね。
 

まだまだ続きますので2回に分けます。