3/19 カイジューバイミー「雷進撃 都会の隅のカミナリ劇場編」@SHIBUYA CYCLONE | もうね。なにがなんやら

3/19 カイジューバイミー「雷進撃 都会の隅のカミナリ劇場編」@SHIBUYA CYCLONE

今回は3/19 に行われたカイジューバイミー「雷進撃 都会の隅のカミナリ劇場編」@SHIBUYA CYCLONEの模様をレポートしていきます。



○イベント概要

カイジューバイミーは2021年に結成された4人組のアイドルグループです。同年11月にアルバムが発売され長らくリリースイベントを行われていましたが2月にファイナルを迎え、以降は対バンライブなどで活発に活動されていますが、今回はワンマンライブでした。会場は毎回異なりナンバリングはされていませんがほぼ月一回の定期公演と言った感じになっています。今回の会場となったのはSHIBUYA CYCLONE、通常時のキャパシティは300人の比較的小規模のライブハウスです。ただステージは奥行きもそこそこあり、セットも特に無かったので4人でのパフォーマンスなら十分な広さが確保されていたかなと思います。一方、客席はフラットでオールスタンディングでしたがステージに高さがあるので、どこからでもまずまず見やすかったです。お客さんの数はざっと数えた限りで100人強ほどで、チケットはソールドアウトとなっておりました。ちなみに4月もライブを開催されますが、こちらは既にソールドアウトとなっています。ちょっとでも気になられた方は早めのチケット購入がおすすめです。私は即使用できるチェキ券が付いて2000円の会場手売りチケットで入場しました。順番は一番最後ですが、前述の通りどこからでも見やすい会場だったので、とてもお得だったかなと思います。なおライブは12時からの1回のみでした。

 ○ライブ

ライブは予定より2分ほど遅れてスタートしました。オーバーチュアに乗って一人ずつ登場、ソロダンスを披露してからの1曲へという流れはいつも通りでした。また衣装も異なるチェック柄の生地で構成されたもの。そろそろ暖かい季節に入ってきますので、新衣装もいずれ披露されるかも知れませんね。それではまずセットリストを。

 

3/19 カイジューバイミー「雷進撃 都会の隅のカミナリ劇場編」

@SHIBUYA CYCLONE セットリスト

01.無人島カルテット

02.ブラックホール

MC

03.ロンリーデイズ

04.絶望にもファンファーレは響く

05.永遠のメロディ

06.スタンドバイミー

MC

07.純白少女

08.RAIGEKI

09.スローモーション

10.全力シルエット

アンコール

en.1フリージア

MC

en2.RAIGEKI

 

全体ではアンコールを含めて12曲の構成でした。公演時間はちょうど1時間、ライブ終了後は特典会も行われました。MCはアンコール中を含めて3回ありました。カイジューバイミーのMCの特色として、こういったワンマンライブでも対バンライブでもリリースイベントでもかなり熱い語りが入るので時間をしっかり取られています。そのため○曲連続でとにかく歌を詰め込みましたといった感じにはなりません。それを含めて考えると1時間は短いように思いますが、終わったその場での肌感では物足りなさは全くありません。もっと長いライブを見ていたような気がするのですが、実は1時間しか経っていない、カイジューバイミー特有の不思議な感覚ですね。

○個別の感想

1曲目は「無人島カルテット」でした。今回は少し不安になるくらいの長い沈黙を経てから菜月ちゃんのソロから始まりました。またこの菜月ちゃんのソロは普段ですとギターの演奏がバックに流れるのですが今回はアカペラ。意外性に溢れたスタートでしたね。この「無人島カルテット」で活躍が目立っていたのはミーアちゃんでした。特に1番のBメロからサビへつながるミーアちゃんのソロパートが良かったです。表現が難しいところですが、軽くふわっとならない粘りのある声が印象的でした。またサビのコーラスでもしっかり存在感を示されていたと思います。2曲目は「ブラックホール」。この曲も菜月ちゃんのソロから、暗闇の中しゃがみ込んだ状態でのスタート。後方から白色の強い光を浴びていて他のメンバーはほぼ見えない状態ということで、強い孤独感の演出かなと思いました。エンディングも同じく菜月ちゃんのソロ。曲の始まりは座った状態でしたが、最後は立った状態という違いがありました。照明はやはり後方からの強い白色光でこれは同じ。メンバーはかろうじて見えるくらいでしたが、各々はステージいっぱいいっぱいの位置に立ち最大限距離を取った上に、外側を向き誰も同じ方向を見ていません。これもまた強い孤独感の演出に思いました。曲が終わり立ち上がってはみたものの孤独なのはやはり変わらなかった、このビターな味わいは独特ですね。

 

2曲を終えたところでMC、自己紹介となります。ここは華希ちゃんがメインで進行を務めます。内容をかいつまんでおきますと、ここSHIBUYA CYCLONEでの思い出、ワンマンの意味、変化を見せたいとのことでした。そして3曲目は「ロンリーデイズ」。印象的だったのは暖色系の照明を主に使われていたこと。2曲目「ブラックホール」で見せた深い闇とは対照的にメンバーの表情も明るく、全体的に楽しげな雰囲気でした。この曲でも目立っていたのはミーアちゃん。ソロパートが多めで特に前半はミーアちゃんの独壇場といった雰囲気でした。4曲目は「絶望にもファンファーレは響く」。この曲はエレナちゃんのサビが出色でしたね。低音からぐっとせり上がって行くような力強いボーカルがとても彼女らしく、素晴らしいと思いました。また最後のサビもエレナちゃんが担当します。先に書いたように1番のサビを聞いてああいいな、もう一度聞きたいなという欲求を満足させてくれる構成がとても良かったと思います。5曲目「永遠のメロディ」は菜月ちゃんによるサビが独特で、彼女はステージの一番後ろで後ろ向きで歌います。これはカイジューバイミーのというより、菜月ちゃん独特のスタイルですね。この曲以外でも菜月ちゃんがソロパートを歌う時はステージの中央ではなく、少し外れた位置、また真ん中より奥の位置にいることも多くなっています。それでも強いインパクトを残すというところが、彼女の他には無い特色かなと思います。またこの曲は4人とも最奥で後ろ向きに立ってエンディングを迎えます。客席から敢えて距離を取る、拒絶するような姿勢を見せる点が独特ですね。6曲目「スタンドバイミー」は5曲目からほとんど間を置かずに始まりました。曲の始まりは華希ちゃんが一人、前に出てのソロから。サビはエレナちゃんが担当、横を向いての歌唱ですがこの横顔が美しいですね。ビジュアルも非常に秀でています。またロングトーンも見事の一言。私は当然ながら譜面を見たこともないですし見ても分からないのですが、これが正解だというのが伝わってきます。

 

6曲目を終えたところで再びMCを挟みいよいよ終盤へと入っていきます。このMCで菜月ちゃんは終わりたくないと床に寝転がっていました。対バンライブでは見たことがないですが、ワンマンでは毎回見ているような気がします。他エレナちゃんはSHIBUYA CYCLONEは悔しい壁、葛藤の場所とのこでお客さんをいっぱいにしたい、独りよがりに行くと宣言されていました。

 

続く7曲目は「純白少女」。サビは菜月ちゃん、エレナちゃん、華希ちゃん、ミーアちゃんの順で同じ歌詞を歌っていきます。同じフレーズですのでそれぞれの違いが出て面白いですね。8曲目「RAIGEKI」は、赤の照明が強烈な印象を与えます。この赤のイメージそのままにサビの後半は非常に挑発的で魅力的でした。またステージ全体を明るくし、バックダンサーとなる3人のダンスをしっかり見せる演出も曲とシンクロしていてとても良かったかなと思いました。9曲目は「スローモーション」。この曲を聞くと、ライブもいよいよ終わってしまうと感傷的になってしまいますね。ただこの曲、私も大好きでしてこの曲がセットリストに入っていないとなるとそれはそれで寂しい気がします。今回も素晴らしい出来栄えで特に間奏明け、華希ちゃんからミーアちゃんへの連続が心に響いてきました。続く10曲目は「全力シルエット」。「スローモーション」で終わりかなと思ったのですが、本編の最後はこちらでした。曲の始まる直前、濃い目にスモークが炊かれていて、うすぼんやりとしたステージが幻想的な雰囲気を醸し出しており、また違った「全力シルエット」を堪能させていただきました。ここまででスタートから約45分が経過していました。

 

アンコールは1分後に始まりました。カイジューバイミーはアンコールで着替えることはしないので再登場が早いですね。アンコールは曲をいきなり歌うのではなく、まずは告知。そして華希ちゃんの売れたいのは間違いないが、売れたいがためにやっているのではないという言葉がありました。私はそこまでカイジューバイミーの歴史に詳しくないので深くは分かりませんが、メンバーの言動からするとSHIBUYA CYCLONEというのは色々思い入れのある会場のようですね。この後のアンコールの1曲目は「フリージア」。この曲もカイジューバイミーの楽曲群の中では比較的明るめの曲で、それに合わせて照明も明るめになっており、全体で魅せるパフォーマンスになっていたかと思います。ここで一旦メンバーが退場し、アンコールもこれで終わりかと思ったのですが、メンバーが再登場。本編8曲目でも歌った「RAIGEKI」を歌ってライブは終了となりました。ここでおおよそ1時間。以降は特典会が行われました。

○まとめの感想

私自身、カイジューバイミーのワンマンライブは昨年開催のSHIBUYA PLEASURE PLEASURE以来2回目の観覧になります。その際は2階席から俯瞰的に見させていただいたのですが、今回はさらに近い位置から見させていただきました。当然ながら前回よりも迫力を感じたのは間違いないですが、より感じたのはステージの広さ、形、照明を使ってパフォーマンスをどう見せていくかという姿勢、考え方ですね。上にも書いた通り、孤独感や拒絶、明るさ、楽しさ、この曲はこう感じて欲しいんだというものがそれぞれに細かく含まれていたかなと思います。カイジューバイミーは楽曲やメンバーそれぞれの歌唱力を基礎とした歌の面に注目が向きがちになろうかと思いますが、ビジュアルにもこだわりを持ったグループ、そんな印象を新たに受けました。次回は4月10日、実は明日ですが、残念ながらソールドアウトとなっていますが、恐らくまたワンマンライブは企画されているのではないかなと思います。リリースイベントや対バンライブとはまた違った魅力を発見できる場として、ぜひ一度見ていただければと思います。以上です。