1/14 カイジューバイミー「純白BY ME」発売記念ミニライブ@ヴィレッジヴァンガード渋谷本店 | もうね。なにがなんやら

1/14 カイジューバイミー「純白BY ME」発売記念ミニライブ@ヴィレッジヴァンガード渋谷本店

今回は1月14日に行われたカイジューバイミー1stアルバム「純白BY ME」発売記念ミニライブ&特典会@ヴィレッジヴァンガード渋谷本店の模様をレポートしたいと思います。

○イベント概要

イベントの主役であるカイジューバイミーは2020年7月にプレデビュー、2021年7月に正式なデビューライブを行ったアイドルグループです。同年11月に初となるアルバム「純白BY ME」をリリースされましたが、今回はこのアルバムの発売記念イベントとなります。私も昨年発売記念イベントにお邪魔したところ、そのパフォーマンスに圧倒され、以降ちょくちょく拝見させていただいております。メンバーはスタンド・バイ・エレナ、スタンド・バイ・菜月、スタンド・バイ・華希、スタンド・バイ・ミーアの4人となっています。

 

今回のリリースイベントの会場となったのはヴィレッジヴァンガード渋谷本店です。半蔵門線/田園都市線渋谷駅から外に出ることなく立ち寄ることが出来、アクセスがとても良いお店です。こちらにて行われるリリースイベントに参加するのも久しぶりになります。あまり広いスペースではありませんが、前方は椅子が並べられ、後方は立ち見エリアとなっていました。今回のイベントの対象となるアルバム「純白BY ME」を購入しますと優先観覧入場券がもらえるようになっていましたが、フリー観覧も可能だったようです。お客さんの数はスタート直前で15人くらいでした。このくらいですとゆったり見ることが出来ますね。諸注意の告知等は特になくイベントはスタートしましたが、基本的には撮影は不可、コールは禁止なのだと思います。なおコロナ感染対策ということでステージと客席の境には透明ビニールシートが貼られていましたが、見る分にはあまり影響は無かったかと思います。

 

○イベントの感想

イベントスタートは19時からでした。その20分前にイベントスペースに入場したのですが、直前のリハーサルはありませんでした。恐らく入場前に済ませられたのだと思います。イベントスタートは予定時刻通り、オーバーチュアにのってメンバーが登場、短めのオープニングダンスからミニライブは始まります。それではまずセットリストから。

 

1/14 カイジューバイミー1stアルバム「純白BY ME」発売記念ミニライブ

@ヴィレッジヴァンガード渋谷本店 セットリスト
01.全力シルエット
02.純白少女
03.ブラックホール
MC

04.絶望にもファンファーレは響く(Acoustic Ver)
05.無人島カルテット
06.スローモーション

 

ミニライブの終了は19:23でした。19時スタートで6曲を歌いつつ、23分で終了ということなので、短時間にぎゅっと詰め込んだ内容の濃いミニライブだったかなと思います。中間のMCでは自己紹介に加えて、軽めのトークもありましたので、今から思うと23分で終わったのはちょっとびっくりですね。少なくとも30分くらいはやっているものかと思っていました。さて当然のことですが、6曲とも今回発売されたアルバム「純白BY ME」に収録されていますが、4曲目「絶望にもファンファーレは響く」はアコースティックバージョンとなっており、収録されたものとは異なるアレンジになっています。曲を構成するのはメンバーの声とギターだけというシンプルなこのアコースティックバージョン。当然雰囲気は異なるのですが、例えれば尖るところは尖ったままという、確固たる彼女たちのスタイルを堪能できる曲になっているかなと思います。周年記念ライブの奥の手的に使っても良いような曲ですが、これを出し惜しみせずフリーライブのセットリストに入れるあたり、出来ることは何でもやる、そんな姿勢を感じますね。とても好きです。

 

上にも書いたのですが、昨年たまたまやはり発売記念イベントのミニライブでカイジューバイミーを見て、そのパフォーマンスに圧倒されたのですが、今回も圧倒されました。1曲目は「全力シルエット」。特徴的なのは全てメンバーのソロパートで構成されている点です。アイドルグループにおいてユニゾンもしくはハーモニーを全く入れないというのはかなり珍しいのではないかなと思います。二人以上で歌うとやはり声の大きさや厚みなり迫力が増しますから、一般的なグループではA~Bメロをソロパートで構成してもサビなど聞きどころではそうするところ、カイジューバイミーは安易にそうしません。それはやはりメンバー一人の声でも十分な迫力を持っているから、という裏返しなのだと思います。そして一人一人の声に個性がありますから、混ぜてしまって角が取れてしまうより、声の特徴を十分に聞いてもらいたいということなのでしょう。

 

声というところでまず強いインパクトを持つのは菜月ちゃんかなと思います。「全力シルエット」でも最初のパートを担当していますが、そのハスキーな声は一度聞いたら忘れられないと思います。そんなインパクトのある力を持った声ですが、パフォーマンスにブレがありません。私もこの時点でまだ5回ほどしか見ていませんが、菜月ちゃんは毎回安定的にパフォーマンスされています。この時期は乾燥もしますし、対バン・リリイベと忙しく活動していれば今日はちょっと声の調子が悪いかな、と思う場面もありそうなものですが、こと菜月ちゃんはそういったことがありません。それどころか本番前、本番終了後まだ歌い足りなかったのか、控室から会場に流れるBGM以上の大きな声で歌っているのが聞こえてきました。約30分のミニライブ、激しいダンスをこなしてもなお、まだこれほど大きな声が出せるとは驚きました。相当にタフですね。カイジューバイミーを、菜月ちゃんを少しでも気になった方はいつでもどこでも見に行けば、ほぼ100%の菜月ちゃんを見ることが出来るのではないかなと思います。

 

他にも可愛い声が魅力的な華希ちゃん、とにかく安定感のあるエレナちゃんととても特徴的な声を持っているのですが、ここも一つ他のグループに無い特徴があることに気が付きます。それは曲によって歌い分けをしていないように聞こえることです。一般的なアイドルグループですと、様々な曲調を持つ曲で楽曲群を構成しています。可愛い曲もあればロック色が強い曲、応援ソング、恋愛ソング、バラード等々、実に様々です。それに対して、寂しい曲なら寂しいように、楽しい曲なら楽しく、明るい声でと曲の雰囲気に合わせて声も変えていきますが、カイジューバイミーはあまり曲調に沿っていくようにはしていないように聞こえます。素人目に見て、曲ありきではなく、メンバーありきのように思われるのです。カイジューバイミーのレポートをこれまで何度か書いているので、繰り返しになってしまいますが、私はそもそもアイドルがロック色の強い曲を歌っているのが好きではありません。女の子らしい、高く可愛らしい声をロック調の音に乗せるという面白みはありますが、あくまでも変化球的な意味合いで使われれば、という限定的なものであって、例えばこのようなミニライブで5曲ともそんな曲では正直うんざりしていました。なぜ嫌いなのかと言えば、単純に言って合っていないからです。このメンバーにこの曲が合っているのかな、プロデューサー的な立場の人がロックやメタルその種の音楽が好きなだけで、メンバーなんて全然見てないんじゃないか、と思うことが度々あります。こうなるとアイドルを見に来ているはずなのに、その裏側にいるおじさんが透けて見えてきて、私は何を見に来たのかと思うんですよね。その点、カイジューバイミーは上にも書いた通り、メンバーが主であるという趣きが非常に強いです。例えば演歌であっても、カイジューバイミーの4人が歌ってしまえば、それはもうカイジューバイミーの曲になってしまうのではないか、とそんなように思います。本来は嫌いなはずの曲調なのに、なぜ私はカイジューバイミーに惹かれてしまうのか、それが段々と分かってきたように思います。

 

さて上で菜月ちゃん、華希ちゃん、エレナちゃんの声のことを書いたのですが、一人抜けています。ミーアちゃんです。正直に言うと、この3人の強い個性を押しのけるほど、声の存在感は示されていないかなと思います。どちらかというと可愛らしい声をされていると思いますが、私の印象としてはその先に華希ちゃんがいるというイメージです。恐らく、他のグループにあればメイン的な役割を勝ち得るであろう、高い歌唱力をお持ちだと思いますが、所々でここというタイミングに若干遅れて声が出て来たり、エレナちゃんほど長く安定して声が出ない場面が、今回のようなミニライブの中で1回あるかなないかしています。しかしそれが味であったりします。4人の中では唯一、毎回の味付けが微妙に異なっていたるのを感じます。出来不出来とことではありません。全般的に出来上がりは高い位置で安定していますが、表現が微妙に異なる、そんな印象です。これがとても面白いですね。 今回のセットリストの中で言うと「無人島カルテット」の1番のBメロの後半、「生きていく」の部分ですね。歌詞の長さが曲に対して若干足りない感じがするのですが、そこをどう埋めていくのか、サビへつないでいくのか、ここにミーアちゃんのその時の感性が詰まっていると思います。そういった彼女の今ならではという部分を見つけて注目するというのも、とても楽しいかなと思います。

 

色々とめどなく書いてしまいましたが、書いているとあぁあれも、これもとなってしまい終わらないので、今回はこれを最後にしたいと思います。6曲目の「スローモーション」ですね。インストアイベントのミニライブですと毎回セットリストに含まれるという曲ではありませんが、私は今この曲が一番大好きです。歌われている歌詞の内容をざっとかいつまんで言いますと、過ぎていく時は止めることは出来ないが、せめてスローに流れて欲しい、そういう曲です。この全体に漂う諦め感、そしてゆっくり流れるということも無理なの話なのですが、せめてお願いとつぶやく、この切なさがたまりません。おおよそ上に書いた主題は間違いないかと思いますが、その背景ははっきり描かれていません。お別れの場面であることは明確ですが、それが卒業なのか、失恋なのか、そういった明らかな状況までは踏み込まれて描写されていません。であればこそ聞く側それぞれの思い描く場面に自然とシンクロしていくように思います。実際私もこの曲を聞くと、実体験した思い出に重なっていきます。そういう懐の深いつくりになっていると思います。また今回で言えば、楽しかったミニライブの最後の曲ということで、まさに今ゆっくり進んで欲しいと願うこの思いとぴったり符号します。最後にこの「スローモーション」を歌われるとたまりませんね。ということで、その名残惜しさから、ついつい特典会に行ってしまうわけですが。

 

ととめどなく時間をかけて書いてしまいましたが、カイジューバイミーはとにかく一度見て欲しい、そう思うグループです。今後も対バンライブ、生誕記念ライブなど活動は活発ですが、最も参加しやすいのは25日金曜日19時からタワレコ渋谷屋上でのリリースイベントかと思います。詳細は発表されていませんが、ぜひご検討いただければと思います。以上です。