まだ、稼働している古い工場。


木造一階建の建物だ。


昼間でも薄暗い。


蛍光灯から薄汚れた紐が下がっている。


引っ張るとパチパチと音がする。


紺色の作業服に紺色の帽子。


黒い髪をした女性が各持ち場で、黙々と作業をする。


道路に面した部屋はロッカールーム。


窓は開け放たれている。


外には、円形の装置あり、撹拌するためなのか、不自然にごうごうと音を立ていた。

中には深い深い紺色の液体が回っている。


落ちたらひとたまりもない。


よく見えなくて、近づいたら、引き込まれてしまいそうで、身震いする。


タイムスリップしたかのようなその場所は、ひっそりと佇んでいて、私を魅了する。