>>前回の続きとなります

水晶玉子の西洋占星術

 

また、もうひとつの「水の星座の大三角形」は、情感とやさしさの共感力をもたらします。それが、彼のダイナミックな歌唱に心揺さぶる魂と表現力を与えたのでしょう。

もし、火の星座の大三角形だけだったら、西城さんは、もっと乾いて尖った前衛的なロックアーチストとして世に出たかもしれません。水の星座の大三角形があったからこそ、彼はテレビを通してお茶の間にやってきて、アイドルになったのです。

 

大三角形からは少し外れますが、彼の蟹座21度の木星のすぐ近く、蟹座23度に革新の星・天王星を持っています。蟹座は大衆を司る星座。大衆を変える力を持っていたことがわかります。

また、水の星座の大三角形は、西城さんにやさしい人柄、周囲の人と暖かな交流、家庭的な幸せもたらしたはず。彼が亡くなって、多く芸能人が西城さんのおおらかさ、器の大きさを語りますが、そのキャラクターは、この2つの大三角形の表れでしょう。

 

幸運の大三角形(グランドトラインがふたつもあるのに、なぜ、普通の人より早めに健康を害してしまったのか、という疑問を持つかもしれません。

グランドトラインは、前向きなパワーと自信、楽観性をもたらしますが、それだけに過剰になる、やりすぎるという傾向もうまれます。

元々、恵まれた肉体のポテンシャルに自信があったからこそ、普通の人ならかけるところでブレーキが効かなかったり、“思い”の強さゆえ、肉体に負担をかけたことは想像できます。

五感の感覚に通じる土の星座に星がひとつもないのも、自分自身の肉体への意識の薄さにつながったのかもれません。

 

そして、もともと牡羊座生まれの人は先駆者的な役割や使命を持っています。

日本で最初のソロ歌手のスタジアムでのコンサート、ペンライトも彼の提案から始まったものだったとか、現在の音楽シーンの”初めて“をたくさん始め、作ったのは西城さんだったそうです。

日本にロック文化を根付かせ、今の日本のアイドルの活動の原型を作った西城さんは、文字通り、日本のエンタメ界の偉大な先駆者だったのですね。

 

また牡羊座は生きる本能、サバイバルの星座でもあります。

脳梗塞を患い、体が不自由になってからも、リハビリをして、ありのままの姿で、ファンの前に立ち続けること。それは、誰よりもカッコよく、美しい姿を見せてきたスターにとって、どんなに勇気が必要なことだったか……私は、むしろ、病気をしてからの西城秀樹の生き方に心を動かされてきた部分がありました。

 どんなに若さを誇った人も、やがて老い、病を得て、いつか死にます。それを駆け足で見せながら、最後まで諦めない姿を見せることも牡羊座のスーパースターの使命であり、火の星座と水の星座のグランドトラインを持つからこそできたことのように思えます。

 

 この話を、たまたま仕事の打ち合わせをしていた「オリエンタル占星術 開運暦」の星の子を作っているカイフチエリちゃん(お母様がヒデキ世代)にしていたら、こんな答えが返ってきました。

「幸運の大三角形がふたつもあるなんて、西城さんって本当にスーパースターだったんですね。

だって三角形をふたつ重ねると、☆星になりますよ!」

 

 

誤解を恐れずにいうと、私は「スーパースターは早く死ぬ」と思っています。

その輝かしい魅力と偉業を知っているファンがたくさん生きているうちに、惜しまれて送られる、そのはかなさとドラマも含めてス-パースターだと思うのです。

 

だけど、占いをやっているから、知っています。

“死”がすべての終わりではないことを。

普通の人にとってもそうですが、死はひとつの運気の曲がり角です。

魂が肉体を離れることで終わることはもちろんあるけれど、逆に動き出すこと、始まることもあると思っています。

特にスーパースターは、亡くなってから、その魅力と偉業を語り継ぐ人たちがいて、レジェンドが始まるのです。

 

西城さんが倒れた4月25日のころは、現在、進行中の消滅と再生の冥王星とパワーの火星が山羊座の21度付近で重なり、これが西城さんのネイタルタルチャートの太陽と海王星のラインとT字スクエアとなり、重いテンションをかけ、変化を促しました。

 また、西城さんが二度目の脳梗塞を発症した2011年は、改革の星の天王星が牡羊座に入った年で、亡くなった2018年5月16日は、まさに、その天王星が牡羊座から牡牛座に抜けた日でした。

 これは、先駆者として、どんなときも最後まで勇気を持って生き抜く姿を見せる、という牡羊座のスターのひとつの使命を終え、次のステージに行くタイミングだったと思わせる星回りです。

 

訃報をきっかけに、改めてネットで西城さんの若き日のパフォーマンスや洋楽、ロック系のステージなどのクオリティの高さを知って亡くなってから新たにファンが増えているという話も聞きます。CD、DVDが売れ、再評価は始まっているのかもしれません。

 

いきなり自分の本の宣伝のようになっていまいますが、

私が先月、発売した「水晶玉子の寿ゾーン」では、10年のうち4年間やってくる、結婚運、恋愛運だけでなく仕事運、金運なども盛り上がる「寿ゾーン」について書いているのですが、西城さんも、今年から4年間の寿ゾーンが始まっています。

ただ2018年は、彼の寿ゾーンの中でも、変化運が重なる年なので、活動のスタイルとやり方が変わったということでしょうか?

でも、きっとこの4年間の「寿ゾーン」の間には、スーパースター西城秀樹の再評価、何か新しい展開があるはずです。

西洋占星術でも、現在、蠍座を運航する幸運の星・木星が西城さんの水の大三角形を刺激して、多くの人の愛と心を動かし、11月8日に木星が射手座に入れば、今度は西城さんの火の大三角形が刺激されるので、やはり何か蘇る、復活する動きもあるかも。

西城さんは、地上の星から天上の星になって、ここから多くのファンと一緒に、さらに輝く時期を迎えそうな気がしています。