戦場に命を懸けた女性たちの勇気と悲しみの物語


祖国の為にという思いで……
女性兵士 世界各地に増えてきているそうです。
恐ろしい……





ソ連、ドイツの狙撃兵、飛行士、イギリスが密かに育成していた女性特殊工作員


結局、彼女らの戦後は辛いものだった。




ソ連初の女性航空士 
モスクワ→ソ連極東への無着陸飛行挑戦
マリーナ・ラスコーヴァ

彼女に憧れた多くの少女が空を目指した


オンボロ爆撃機のため、充分な応戦武器、脱出のパラシュートもなかった。

夜間爆撃を執拗に繰り返し行った。(夜の魔女と恐れられた)


雨で出撃出来ない時、刺繍や手紙を書いて過ごす兵士たち
まだ幼さが残る……



マリーナ・ラスコーヴァ(享年30)
戦闘機が事故で墜落し死亡
国歌の英雄として、遺灰はクレムリンの壁に納められた。






ソ連の狙撃兵
リュドミラ・パヴリチェンコ
(スターリンの死のエンジェル)

(ラスコーヴァと同じ飛行士を目指すも乗り物酔いのため断念)

初めての実戦では1人に3〜4発使ってしまったが、眉間を狙い命中率を高めた。(309人のナチスを倒した)


英雄として称えられていたが、PTSD、アルコール依存症に苦しんだ。58歳で亡くなる。晩年の姿は年齢よりはるかに年老いて見えた。
その死は大きく取り上げられることもなかったという。




ドイツ 飛行士
女性初グライダー飛行アルプス横断飛行成功
ハンナ・ライチュ
民間人だったが、ドイツの兵器開発にテストパイロットとして協力。

急降下爆撃、軍用グライダー開発(ムッソリーニ救出作戦成功)


有人型V1飛行爆弾 提案
↑人間爆弾
衝突直前に操縦士は脱出するというもの


この時の会話 
ヒトラー
「兵士に生きる可能性を残すべきではないか」


ヒムラー

「兵士でなく病人か犯罪者を乗せればいい」←鬼畜

ライチュ
ヒムラーの言葉に反発
「それならば自分が搭乗員に志願する」



(爆弾の操縦不可能なため、実戦には使われず計画中止)




戦後 ライチュはナチスに加担した者として、冷遇。
アメリカ、オーストリアに居場所を探す事になる。

「私の過失は何?
最後まで義務を果たし祖国を熱狂的に愛していた…」
公の場では常にヒトラーから授与された一級鉄十字章をつけていたそうです。



生涯グライダーの飛行記録に挑み続けた
(享年67)





特殊作戦執行部(SOE)
連合国の女性が集められ
銃の扱い方、パラシュート降下、暗号解読の訓練を受けた。

夜、パラシュートでナチス占領下のフランスに潜入


1944年6月
ラジオから流れる……
ポール・ヴェルレーヌ
「秋の歌」
秋の日のヴィオロンのため息の
身にしみてひたぶるにうら悲し

48時間以内にノルマンディー上陸作戦開始の暗号

第二次世界大戦 連合国の勝利が決定づけられた


女性工作員37人のうち14人死亡。

ヴァイオレット・サボー
は捕えられ処刑された。







ノーベル文学賞作家
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ
戦後、ソ連の女性兵士人たちの証言を記録


女たちの戦争には
色 におい 光 があり気持ちが入っていた。
英雄的に勝利した あるいは負けたということはほとんどない。

女たちは気持ちに支えられて立ち上がる。

女の戦争についての記憶というのは
その気持ちの強さ痛みの強さにおいて男よりも強度が強い。
女が語る戦争は男のそれよりずっと恐ろしい。



戦闘中、渡り鳥が群れをなしてやってくるのが見える…しかし伝える術はなく、鳥は撃ち落とされていった。
と語った元女性兵士。
鳥の命を思う繊細さと、敵を撃ち殺す残酷さ……。









現在のウクライナ軍の上級中尉


あなたは何故戦うのか?の問いに

もし、誰かが日本を攻撃してきたらあなたたちだって戦うでしょう?

私が戦うのは祖国と愛する家族を守るためなのです。



〜〜〜〜

戦う?
考えられない。

戦争は絶対に嫌だ。

〜〜〜〜


この人
今になって

我々は常にウクライナ人を兄弟のように見てきたし、今もそう思っている

と言っているそうです。






 






〈蛇足〉

1994年
この本をどこの書店で買ったか覚えています。タイトルの美しさと、表紙の絵に惹かれて……
が、内容は覚えていないあせる
『ヴィオロンのため息の~高原のDデイ~』