“思うにアレクサンダー・ガジェヴは、現代ヨーロッパのピアニズムをになう最も重要な人物の一人である。”
— Mario Messinis,2013年プレミオ・ヴェネツィア・コンクールにて
2021年10月第18回ショパン国際ピアノ・コンクールで第2位及びクリスチャン・ツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞)を受賞。
2021年7月シドニー国際ピアノ・コンクールで優勝。
2018年 モンテカルロのワールド・ピアノ・マスターズで優勝。
2015年 第9回浜松国際ピアノコンクールで優勝および聴衆賞を受賞。
音楽と中央ヨーロッパの文化に囲まれた幼少期は、アレクサンダー・ガジェヴの歩みを決定づけた。
前者は、ピアノ教師・音楽家である両親が築いた家庭環境に負うところが大きく、後者は、彼の生まれ故郷ゴリツィア(イタリア)に由来する。
スロベニアとの国境からほど近いゴリツィアは、多様な人びと・文化・言語が、ごく自然に交差している街である。
これらのファクターは、さまざまな音楽様式や音楽言語を貪欲に吸収し、自分のものとし、自身の嗜好に合わせて変化させていく天性の能力をそなえたガジェヴに、多大な影響をおよぼしてきた。
ロシア出身の名ピアノ教師である父に師事したガジェヴは、9歳の時にオーケストラと初協演し、10歳で初リサイタルを開いた。
17歳で優等な成績をおさめ学位を取得したガジェヴは、これにより、イタリアの教育機関で最高評価を得た若手音楽家だけが競うコンクール「プレミオ・ヴェネツィア」(2013年・第30回)への出場を許され、覇者となった。
その後2015年から現在にいたるまで出場するコンクールでほぼすべて優勝している。
2019年 BBCニュー・ジェネレーション・アーティストに選ばれ、2022年までにロンドンのウィグモア・ホールなどでのリサイタル、BBCのオーケストラとの共演、イギリスの音楽祭に出演など、すべてのコンサートはBBCラジオ3にて放送される。
オーケストラはこれまでにマリインスキー歌劇場管、ワルシャワ・フィル、BBCコンサート管、日本の主要なオーケストラと共演、指揮者はワレリー・ゲルギエフ、ユーリ・テミルカーノフ、アントニー・ヴィット、井上道義、高関健、下野竜也、山田和樹などと共演した。
今後はイタリアRAI国立響、BBC響、ハレ管、ベルリン・コンツェルトハウス管、ファビオ・ルイジ、サカリ・オラモ、アンドレイ・ボレイコ、ダニエレ・ルスティオーニなどとの共演を予定している。
音楽祭への参加も多く、ヴェルビエ音楽祭、オールドバラ音楽祭などに参加している。