ゲンリフ・ネイガウス (1888-1964)
ウクライナのエリザヴェトグラード(現キロヴォフラード)出身。ウクライナのドイツ系(またはスウェーデン系)の家庭に生まれる。両親ともにピアノ教師であったが、ほとんど独学であった。早期の芸術的な発展において、又従兄カロル・シマノフスキや、叔父のフェリックス・ブルーメンフェルトから最も影響を受けた。1902年にエリザヴェトグラードにおいて、11歳のミッシャ・エルマンと共演してリサイタルを行い、1904年にドイツに行き、ドルトムントやボン、ケルン、ベルリンなどで演奏旅行を行なった。
その後ベルリンでレオポルト・ゴドフスキーに入門し、1909年から第一次世界大戦の勃発まで、ウィーン音楽院のマスタークラスに参加した。
1914年にエリザヴェトグラードで指導を開始し、後にティフリスやキエフでも教鞭を執った。この頃に、教育活動への興味から演奏活動を止める。1922年にモスクワ音楽院教授となり1935年から1937年まで院長も務めた。後年シベリアに追放されたが、名誉回復により復帰し1956年にロシア人民芸術家に選ばれた。
ネイガウスは、詩的な魅力を湛えた演奏や、芸術的な洗練、該博な教養ゆえに幅広く称賛されてきた。著書『ピアノ奏法論(1958年)は、この問題を扱った本の中で最もよく読まれ、かつ重用されている。
家族と親族
- グスタフ・ネイガウス - 父。カロル・シマノフスキの恩師。
- マリア・ネイガウス - 母。カロル・シマノフスキの父スタニスワフ・シマノフスキの従姉妹。
- スタニスラフ・ネイガウス - 息子。
- スタニスラフ・ブーニン - 孫。
主な門弟
ヤコフ・ザーク (1913-1976)
スヴャトスラフ・リヒテル (1915-1997)
エミール・ギレリス (1916-1985)
アナトリー・ヴェデルニコフ (1920-1993)
スタニスラフ・ネイガウス (1927-1980)
ヴァレンティナ・カメニコ-ヴァ (1930-1989)
アントン・ギンスブルク (1930-2002)
イーゴリ・ジューコフ (1936-2018)
エレーナ・リヒテル (1938- )
アレクセイ・ナセトキン (1942-2014)
エリソ・ヴィルサラーゼ (1942- )
ウラジーミル・クライネフ (1944-2011)
アレクセイ・リュビモフ (1944- )
ラドゥ・ルプー (1945- )
エフゲニー・モギレフスキー (1945- )