名器デュランティ・・・千住真理子 | Royal Hawaii

 

千住 真理子(せんじゅ まりこ、1962年4月3日 - )は、

日本ヴァイオリニスト

 

ジャパン・アーツ所属。レコードレーベルは、EMIミュージック

・ジャパン(現:ユニバーサルミュージック)。

 

慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。

血液型A型。東京都杉並区出身。

 

父は工学者慶應義塾大学名誉教授千住鎮雄。母はエッセイスト

教育評論家千住文子

 

長兄は日本画家千住博。次兄は作曲家千住明。母方祖先に

明治時代の医師角倉賀道、江戸時代初期の貿易商人角倉了以がいる。

略歴

音楽好きだった祖父母の影響で、生後2年3ヶ月から鷲見三郎

ヴァイオリンを習うと同時に、奥裕子・鷲見康郎に師事する。

 

11歳より江藤俊哉に師事する。慶應義塾幼稚舎時代の低学年までは

ほとんど練習をせず、コンクールに出ることもなかったが、

1972年に第26回全日本学生音楽コンクール東京大会小学生

の部で第2位になる。

 

翌1973年、同コンクール東京大会、全国大会小学生の部で

第1位を受賞した。1975年、第1回NHK若い芽のコンサートで

NHK交響楽団と共演し、12歳でプロデビューする。

 

1977年、15歳の時、第46回日本音楽コンクールを最年少で優勝した。1979年、17歳の時、第26回パガニーニ国際コンクール

最年少で入賞した(第4位)。

 

小学校時代からヴァイオリンの練習を日々何回か繰り返し、

100回200回…と進め、12歳頃から「天才少女」と呼ばれてきたが、

賞賛の陰では嫉妬やいじめを受け、また、学業との両立に

悩んだりもした。

 

慶應義塾女子高等学校時代には、これまで努力を繰り返して

きたことと「天才であり続ける」こととのギャップに心身が

悲鳴を上げた。

 

そうした負担のために、20歳の時にヴァイオリンから離れ、

楽器に全く触れることもなかった。

 

大学は、音楽大学ではなく慶應義塾大学文学部に内部進学で進む。

大学の講義を聴きながら自分探しにボランティア活動をしていたが、

ホスピス訪問で「最後に千住真理子に会いたい」という

末期患者を見舞い、奮起した。

 

2年間のブランクを経て大学卒業後にはプロへの道を志した。

その後、指揮者のジュゼッペ・シノーポリに認められ、

1987年ロンドン、1988年ローマでデビューした。

 

コンサートやリサイタルの開催、テレビラジオの出演の他、

エッセイの執筆なども手がけ、幅広い分野で活躍している。

 

1981年の少年ドラマシリーズ星の牧場』(NHK総合)には

「牧場の少女役」で出演した。

1990年代からは東京大学生産技術研究所橘秀樹教授研究室にて、

研究員としてステージ・ホール音響の研究に参画した。

 

1993年文化庁芸術作品賞、1994年村松賞、1995年モービル音楽賞

(奨励賞)をそれぞれ受賞。2度結婚・離婚し、現在は独身。

使用楽器

愛器は1716年製のストラディヴァリウスで、この楽器を個人で

所有している者は2014年現在、世界で4人しかいない。

 

千住が持つ「デュランティ」は、ストラディヴァリが製作してすぐ

ローマ教皇クレメンス14世に献上されたと伝わる。

 

その後、フランスのデュランティ家に約200年間所蔵され、次に

スイスの富豪の手に渡ったが、その約80年後の2002年にその富豪が

演奏家のみを対象に売りに出し、千住家が2億円から3億円

(正確な金額は非公表)で購入した。

 

約300年間誰にも弾かれずに眠っていた幻の名器とされている。

この300年は、「城に隠され演奏家が弾くことはなかった」と

2011年にNHKの番組(イタリア特集)で紹介された。

 

母・千住文子の著書『千住家にストラディヴァリウスが来た日』

によれば、真理子のストラディヴァリウス購入に際し次兄・明が

「僕が何とかする」と言って、ニューヨーク在住の長兄・博と

連携して金銭を必死に集めたという。

 

ストラディヴァリウスは非常にデリケートで、湿度が高いと

壊れてしまう。

 

そのため、千住の自宅では、ストラディヴァリウスをヴァイオリン

・ケースに入れ、さらに室内に湿度計を3つ置いて湿度を

チェックしながら、大切に保管している。

 

室内の温度は23度プラスマイナス5度、湿度30%〜40%に

保つようにしているという。

 

千住は世界での演奏のためにストラディヴァリウスを飛行機

運ぶときは、ストラディヴァリウスのために飛行機の座席を

1人分用意し、ストラディヴァリウスにシートベルトをかけて、

さらにクッションを敷いて置いている。

 

また2020年9月17日(木)午前9:05~午前9:55(50分)に

NHKラジオ第1放送で放送された『らじるラボ 9時台「表現者たち」』

のゲスト出演において、ストラディヴァリウス「デュランティ」を

弾きこなすためには絶対的な体力が必要で、そのために

各部の筋力トレーニングはもちろんのこと、毎朝生卵を3つ

生飲みする習慣がついたと語った。

 

タイスの瞑想曲 (マスネ) 千住真理子の演奏 

ストラディバリウス デュランティ 2 音楽

 

千住真理子『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集Vol.1』

 

千住真理子(ヴァイオリン) パガニーニ 《24のカプリース》 Op. 1 

 

千住真理子 ヴァイオリン・リサイタル

 J.S. バッハ:G線上のアリア 

ベートーヴェン:アダージョ・カンタービレ~「悲愴ソナタ」より