1963年5月19日生まれ、米カリフォルニア出身のピアニスト。
幼少よりピアノに親しみ、クシシュトフ・ブジュザに師事。
その後、ピーボディ音楽院(ボルチモア)で
レオン・フライシャーに5年間師事。
1989年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで入賞。
1990年に、第12回ショパン国際ピアノコンクールで
最高位を受賞(1位無しの2位)。
同年第9回チャイコフスキー国際コンクール・
ピアノ部門3位など輝かしい成績を残している。
その後録音も数多く行っており、ショパン、ラヴェル、シューマン、
ベートーヴェン、ピアソラと多岐に渡っており、近年では
ポーランドで室内楽カテゴリーにおいて最優秀賞の
“フレデリック賞”を授与。
またショパン時代のピアノにも造詣が深く、1848年のプレイエル
を用いた国立ショパン研究所のレーベルで録音したショパンの
ソロ・ピアノ作品集は、フランスのディアパソン誌にて5つ星を獲得。
教育者としても有名で、英国王立音楽大学教授を経て、
2015年よりマイアミ大学フロスト音楽校教授。
近年では、第17回ショパン国際ピアノコンクールに参加した
チョ・ソンジンからの依頼によりコンクール直前に
集中レッスンを行い、見事優勝に導いたことで、ケナーの
教育者としての手腕が改めて認められている。
2011年以降、ヴァイオリニストのチョン・キョンファからの
熱烈なオファーを受け、彼女の10年ぶりとなる活動始動に伴い
デュオパートナーとして世界ツアーに参加。
“美しく穏やかな真珠のような輝きを放つピアニズム”
(英・テレグラフ紙)と絶賛されるなど、キョンファの
ヴァイオリンを引き立てつつ存在感を放つアンサンブルは
彼の高度な美的音楽性を聴衆に再認識させている。
コンクールの舞台裏
中村紘子の著作によれば著者が審査員として参加した1990年の
ショパン国際ピアノコンクールにおいて、一次審査で圧倒的に
美しい音色と叙情性で審査員と聴衆を虜にし「これですでに
1位はもう決まりだ」と思わずつぶやいた審査員もいたほどで
2次審査では会場が期待と熱気で溢れ返っていたが、期待に
十分応える演奏ではなく、さらにセミファイナル、ファイナルと
回を重ねるごとに演奏に精彩を欠いていき、傍目にも
ドラキュラに血を抜かれたようで真っ青で痩せ細り明らかに
コンディションが悪い状態であった。
聞くところによると彼は胃腸が弱く、この時食物もうけつけない
状態であったとのこと。
結果として1位を取る事ができなかった。チャイコフスキー
国際コンクールでは3位入賞であったが、この時は激しい下痢に
襲われやっとの思いで弾きとおしたとのこと。
中村は体力にさえ恵まれていたなら演奏家としてもっと大きな
活躍ができたかもしれないのに本当に残念と慨嘆する。
1990 International Chopin Piano Competition
(
Kenner)Chopin Scherzo No. 3, Op. 39
Chopin/Kevin Kenner/Krzysztof Dombek -
Piano Concerto No.1 in E minor, op.11
2021 RPPF - Kevin Kenner Masterclass -
Scarlatti Sonatas K 380 & 394