ピアノで弾くのが難しい曲とは?
1つは、「音の多さ」が挙げられるのではないでしょうか。
楽譜を見た瞬間に、音符が多すぎるのを見ると、ああこれは難曲
そうだと感じますよね。
さらにテンポが速い曲だと、指の速い動きも要求されてくるので
たくさん練習しなければならない、と思うでしょう。
2つ目に、音が飛びすぎる曲は難曲である、と感じます。さらに、
オクターブ以上の音域をおさえなければならない曲も弾き
づらいですね。
どちらのケースも、手が大きくなければ弾きこなすのに困難です。
最高難度の曲ともなると手が大きくても不可能ではと思える
曲もあり、最適な練習方法を見出さなければならない、
といったところでしょう
そして3つ目。テクニックだけではなく、表現力が求められる楽曲
でしょうか。ピアノにおいて、表現力はいくらテクニックが
あっても練習だけではカバーしきれない部分がありますよね。
こちらではこれらのことを元に、超絶技巧のピアノの難易度MAX
の難しい曲を10曲選び、ご紹介していきます。
アルカン : 鉄道 【19_情熱的でかっこいい楽譜と解説付きクラシックピアノ曲】
「鉄道」という名の通りですが、アルカンが1844年に作曲した
、蒸気機関車が走る様子を曲にしたものです。難しい曲ランキング
トップ10に必ず入るといってもいいでしょう。
左手はひたすら8分音符の連打で、こちらでリズムをとるような
感じですが、右手は16分音符の連続、しかもテンポが
とても速いです。
これを保ちながら最後まで弾ききるのは相当のテクニック、
練習が必要となるでしょう。
しかしまさに「蒸気機関車がシュッシュと音を立てながら
走ってゆく」映像が脳内に浮かびますね。
Lang Lang Plays Rach 3 Ossia Cadenza
ラフマニノフ作曲の「ピアノ協奏曲第3番の大カデンツァ」は
最高難度の曲の1つ、として「超絶技巧を必要とする曲」の
代表のように扱われる楽曲です。
あまりに難しいので小カデンツァのほうが好まれ、
よく弾かれるほど。プロでも避ける曲なのです。
1996年に公開された映画「シャイン」ではピアノ史上一番難しい
曲とも言われ、主人公が弾き終えたあとに精神が壊れてしまう
というなかなかショッキングなシーンがあるほどです。
手の大きなラフマニノフらしく、広範囲に広がった和音が
多く使われた曲。
辻井伸行 / リスト: 超絶技巧練習曲集 より 第5曲 鬼火
超絶技巧練習曲第5番はリスト作曲。タイトル通り、超絶技巧を
必要とする曲です。
こちらも、「弾くのが難しい曲ランキング」といえば必ず入って
くる曲の1つでしょう。
この曲はテクニック的にも難度が高いですが、表現力も
求められる曲です。
「練習曲」という名の通り、指の動き、それから表現力と
多方面において技術を磨くことができます。
トリルなどが多用されていますので練習方法としてはリズムが
崩れないようにしっかり弾きこなすことの積み重ねが
大切になると思います。
トルコ行進曲/ユジャ・ワン/モーツァルト/ヴォロドス/ピアノ/
このトルコ行進曲をヴォロドスがさらに難しくアレンジした
曲があり、これが「難しい曲ランキング」には必ず入るほどの
難曲となっています。今モーツァルトがいてこの曲を弾いてみてと
言われたら、弾けないかもしれないとまで言われています。
亀井 聖矢/バラキレフ:東洋風幻想曲「イスラメイ」(2019ピティナ 特級セミファイナル)
「イスラメイ」は、ロシアの作曲家、ミリイ・バラキレフが
1869年に書いた曲です。
カフカス地方におもむいた時にこの曲のアイディアを得たそうで、
イスラメイとは元々民族舞曲のことで、これをピアノ曲として
作ったそうです。
この曲も最高難度の曲の1つで、「難しい曲ランキング」には
必ず入る曲といえるでしょう。
こちらも音符が多い上にテンポが速く、指のテクニックが
必要になりますが、さらに楽譜を見るとお分かりになると
思いますが、転調が多く、かなり複雑になっています。
Boris Berezovsky - Chopin Etude Op10/4, Godowsky version
12の練習曲op10はあのリストでさえ、初見では弾けず練習を
要した、と言われるほどです。
しかしこの、ただでさえ難しい曲を、ゴドフスキーがさら編曲、
最高難度とも言われる曲にしてしまったのです。
Evgeny Kissin - Schubert - Wander Fantasy in C major, D 760
「さすらい人幻想曲」はシューベルトの作品。シューベルトの
作品は割と弾きやすい曲が多く、多くの方がおそらく通った
ことのある作曲家だと思います。
しかしこの「さすらい人幻想曲」は数あるピアノ曲の中でも難易度
が高い曲と言われています。
一応ソナタ形式ではあるのですが、ほとんど切れ目なく
4楽章まで続きます。
指の動きも複雑ですが、さらに高度な表現力も求められる楽曲
となっています。
シューベルト自身がうまく弾けなくて「こんな曲は悪魔にでも
弾かせておけ」とブチ切れた、というお話まであります。
シューベルト自身も弾くのに苦労したという曲、
是非ともチャレンジしてみてください。
Nobuyuki Tsujii 辻井伸行 - Ravel Scarbo ラヴェル スカルボ
「夜のガスパール」はフランスの作曲家、ラヴェルによる曲で、
同じくフランスの詩人、ルイ・ベルトランの詩集を
題材にした組曲です。
この組曲は3楽章からなっており、1曲目、2曲目はゆったりと
した演奏でいいのですが、3曲目はテンポが速くなり、複雑な
指使いを要求される楽曲となっています。
「小悪魔が飛び回る様子」を描いており、まるでその情景が
浮かぶかのように不気味で、また激しい強弱でもってそれを
表現しなければなりません。
この曲が発表されたときは、ちょうど同年代に発表されていた
バラキレフの「イスラメイ」と並ぶほどに難曲である、
と言われていたそうです。
Liszt Grand Galop Chromatique . Valentina Lisitsa
ギャロップということでリズムとしてはとらえやすく、
一度掴めば弾きやすい曲かもしれませんが半音階で目まぐるしく
動かさなければならない指、音域の広い和音が続く部分はやはり
高度なテクニックが必要といえます。しかし弾きこなせたら確実に、
かっこいい!と思われる曲ですね。
Evgeny Kissin: Liszt Paganini Etude No.3, ラ・カンパネラ
多くのピアニストが一番難しい曲と思うのがこの曲、リストの
「ラカンパネラ」でしょうか。もともとパガニーニが作った
バイオリンの楽曲をリストがピアノ用に編曲したものが
ラカンパネラですが、「難しい曲といえば」と言われて一番最初に
思い浮かべるのがこの曲ではないでしょうか。
flip-4.comさんを参考にしました。