インターネットがきっかけとなるシンデレラ・ストーリーが、
クラシック界でも例外なく生まれている。H.J.リム(H.J.Lim)は
韓国出身、25歳のピアニスト。
YouTubeにアップされた演奏が話題となり、音楽関係者の目
(耳)にとまった。
ラフマニノフとショパンの練習曲全曲を見事に弾ききった映像である。
そのテクニックも尋常ではないが、情熱的で個性的、迫力ある
ピアニズムはまさに衝撃的。
「自分は作曲家の代弁者だ」と語る彼女だが、作曲家の意図を
汲みながらも彼女の思うままに表現されていく作品は、
今、そこで生まれたかのように新鮮でもある。
そしてこのたび、いきなり『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集』ボックス(輸入盤)での異例のデビュー。
名門レーベルEMI CLASSICSも、その活躍におおいに期待する
大型新人の登場だ。
ジャケット写真ではシャープなイメージがあるが、実際に会うと
気さくで笑顔を絶やさない、チャーミングなお嬢さんという印象。
頭の回転もすばらしく速く、その演奏のように情熱的で芯
の強い女性だ。
HJ Lim (H.J.リム)。韓国の女性ピアニスト。1986年10月26日生まれ。
3歳で音楽の勉強を始めた。12歳の時に自らの意思で韓国を離れ、
フランスに渡った。
マルク・ホペラーに師事した後、ルーアン国立地方音楽院を
一等賞で卒業し、ノルマンディー地方のDiplome d'Etudes Musicales Completesを最年少の15歳で取得。
2006年、パリ国立高等音楽院でアンリ・バルダに師事し、
再び一等賞を得て卒業した。
2010年には、ベートーヴェンのソナタ全曲を8日間連続で演奏し、
音楽界にセンセーションを巻き起こした。
翌年、EMIクラシックスでベートーヴェンのソナタ全曲を録音し、
全曲録音した最年少のピアニストであるだけでなく、ビルボードの
クラシックチャートで1位、
iTunesのチャートでも1位を獲得した最初で唯一のクラシック
ピアニストとなった。
EMI-ワーナー・クラシックスからリリースされたラヴェルと
スクリャービンの作品を収録したソロ・アルバムもリリースしている。
2017年には、スイスの有力紙「Le Temps」が「スイスを作る100人の人物」の一人として推薦し、韓国の国会テレビが
「世界を変えるスーパーコリアン」として彼女のドキュメンタリーを
制作した。
2018年には、その社会的活動が評価され、ヌーシャテル州の
インターカルチュラル賞を受賞。
HJ Lim 임현정 Flight of the Bumble Bee 왕벌의 비행, 오리지널 영상!
Beethoven: Moonlight Sonata: I. Adagio sostenuto (HJ Lim)
HJ Lim plays Chopin Nocturne in C-sharp minor, Op. posth임현정 HJ Lim
Rachmaninov Piano Concerto N.1 - HJ Lim