ザルツブルク音楽祭 〓 ソコロフのリサイタル中に祝祭大劇場の天井から雨漏り | 月刊音楽祭

 

 

グリゴリー・ソコロフのように生存中にこのように伝説になる

ピアニストは近年稀である。

 

サンクトペテルブルク(レニングラード)に生まれた彼が、

レニングラード音楽院で学び始め、最初のリサイタルを開いたのは

12歳の時だった。

 

また、わずか16歳にして1966年にモスクワで開催された

ャイコフスキー国際コンクールで優勝した。

 

  グリゴリー・ソコロフは現役ピアニストで最も

偉大な一人に数えられる。

 

彼ならではの特徴と技法はその限りない色彩のパレット、

のびのびとした着想と魅惑的な旋律線のコントロールで表現され、

コンサート・グランド・ピアノから素晴らしく

多様な音を引き出す。

 

彼の演奏は詩的で極めて個性的で、レパートリーも12世紀の

ペロタンの音楽から20世紀の作曲家まで、信じられないほど幅広い。

 

 数々のヨーロッパの一流コンサート・ホールと音楽祭に

定期的に招かれ、グリゴリー・ソコロフはこれまでに高名な

オーケストラ、一流の指揮者たちと共演してきた。

 

しかし数年前、彼は全ての演奏活動をソロ・ピアノ・リサイタルに

専念することに決め、全てのヨーロッパの主要ホールで

毎シーズン演奏する非常に数少ないピアニストの一人となった。

 

ソコロフの音はまるで水晶のようである。

バロック時代の作品で歌手がビブラートをせずに音を紡いでいく、

正にあの感じだ。

 

不純物が全く含まれていない。速く軽いパッセージの指裁きや、

光を反射して煌めくシャンデリアのようなトリルの輝きに

目が眩みがちだが、ソコロフの音楽をソコロフらしくするのは

左手のサポートによるものも大きいことを忘れてはいけない。

 

彼は音を一つも捨てない。同じ曲を他のピアニストで聴いた時より

断然立体感が違う。

 

Grigory Sokolov plays Bach & Chopin – live 2004

 

Grigory Sokolov - Mozart sonata C major K545; Fantasia K475; sonata C minor 457

 

Grigory Sokolov plays Schumann and Rachmaninoff in Geneva 11.12.21

 

Grigory Sokolov – Beethoven Piano Sonata No. 27 in E minor, Op. 90