永六輔さんの本に

歩いている自分の前を横切って行った人に
「そっちへ行くと何かあるんですか」
と聞いたら,その人が
「あなたは何かないと行かないのですか」
と言ったという話が出てきます。
誰かが行くから,何かあるからではなく,
「何もないのに歩く,出かける,それが旅だ」
永さんの話に賛同,
今日もただただ歩いてきました。

街角の洋服屋さんのショーウインドウに
小さなミシンがありました。
「わー,すごい一人前の形をしている」
のぞき込みました。
しゃがんで観察しました。
手回しのミシンです。

「どうぞ,おはいりください」
ご主人でした。
「どうぞ,おかけください」
椅子に座ってじっくり眺めました。
「こんなのもありますよ」

もう1台出してくださいました。
糸を通せば縫えるそうです。
昔の機械,いい形をしています。
どんな人が使っていたのだろう。
どんなものを作られたのだろう。
ご主人と昔話にふけりました。
街歩き楽しいです。
発見があります。
どなたかとのおしゃべりがあります。
また,歩きます。

この町は,ならまちの一角,奈良市毘沙門町です。