こんばんは。

長生き競争に勝ったのは、医者からあと1週間の命と言われた心臓病の兄・健作老人のほうでした。
節制を心がけ、万事慎重に暮らしてきた弟・康造老人は、何者かに殺されてしまいました。
健作が、勝ったほうが負けたほうの遺族にも半分財産を分けてはどうか、という相談をした矢先にです。

この昼間の交渉は、関係者の知るところでした。
健作の義妹や息子たちは、
「どうせ、あのケチなおじさんは承知しなかったんでしょう?」と言う始末。

それが、一晩で、逆転です。

全財産はソックリ健作が相続する権利を得ました。

森川弁護士は、殺人事件のあらましや、蛭峰家の人間関係を親友の明智小五郎に話します。
さて、ここで意外なことに、健作は森川を呼んで新しい遺言状を作成したいと言ってきます。

それは、昨晩、康造に言った通り、生き残ったほうが、相手側の遺族にも財産を半分相続させるというものです。これは本気だったようです。
自分が勝っても誠実に対応。
つまり、健作は弟の養子の兄妹たちに分けようとします。

なんという素晴らしさ!!

やがて、この健作の正義感は仇になります。

明智はその新しい遺言に反対しました。
犯人は、弟側に財産が行くのを、殺人を犯してまで阻止しているのです。今、そんな遺言状を発表するのは、危険だと判断します。
明智の警告を受けた森川は、健作に少しだけ待つように言いました。老人は受け入れてくれました。

そのわずかな「お預け」を知った康造の養子・良助は、たちまち敏感に反応しました。
「何で引き延ばすんです?  まさか、僕たちに半分よこすのが惜しくなったんじゃないでしょうね」
「約束を変える気はない。ただ、一週間ほど延ばすだけだ」
そこへ運悪く、健作の長男が余計なことを言います。「こんな奴の言うこと、気にしちゃいけません。お父さんは勝ったんですから正々堂々、最初の遺言状の通り、全財産を貰えばいいのです」
良助は、長男は相手にせず、向き直ります。
「伯父さん、僕はあなたを見損なった。あなたは偽善者だ」

あなたが健作だったら、ツライですよね。

彼だって早く新しい遺言状を作って履行したいのに、わけもわからず、止められているのです。

最悪です。
健作はそれまで抑えていた怒りを爆発💥させてしまいます。
「もう沢山だ! 良助はわしを偽善者呼ばわりするし、健一は、いとこに対して情け知らずの、ひとでなしだ。揃いも揃って、情け無い奴ばかりだ。
もうわしは最初の予定通り、やりたいようにする!💢」
明智の懸念を無視して、あくまで半分譲ることに。
急転直下、森川は書類を作ることになります。
ここは弁護士です。依頼人には逆らえません。