こんばんは。

ミステリー案内人・稲葉の白兎です。

江戸川乱歩の「三角館の恐怖」は、オリジナル作品ではありません。
アメリカのロジャー・スカーレットの
「エンジェル家の殺人」が原作です。
これを翻訳して読んだ乱歩が感激。
日本バージョンにアレンジして、発表しました。

で、私も大人になってから、スカーレット版を読んでみました。
ビックリというか、がっかりというか、
内容と表現がほぼ一緒。登場人物の名前が違うだけで、むしろ、乱歩バージョンの方がいい。

犬神家の一族に出てくる遺言状に比べ、こちらは世界一シンプルな遺言状です。

双子の二人のうち、片方が死んだ時点で、全財産が生き残ったほうに。

兄・蛭峰健作側
長男。次男。義妹。

弟・康造側
養子。養女。その婿。執事。

康造は、射殺されました。双子の長生き競争に勝つのがほぼ確定してた矢先でした。

健作の健康状態が極端に悪化してたからです。

財産はすべて健作に移動しますが、健作は、康造の遺族にも、半分分ける遺言状に書き換えるという、極めて良心的な態度を取ろうとします。

ニートの息子たちが大反対したことで、健作は怒りを爆発。
探偵に書き換えを延期するように言われたのに、
その晩に作ると言いだし、邸内のエレベーターで森川弁護士のところまで降りてくる間に、殺されてしまいました。

エレベーター内の密室殺人です。

遺言状はどうなったでしょう?
健作の遺族側のモノ?

実は、明智は前もって、予備を持っていたのでした。つまり、またしても、康造の遺族に半分分けるということが有効になったのです。

私だったら、どっちにもあげない。
今まで十分に贅沢な暮らしをしてたのです。
だから、働かなくなってしまったのではありませんか?
もちろん、こんな最初の遺言状は、法律的に無効であります。
勝ったほうは、最善の策を選ぶ義務があると思うのです。

国に全部寄付するとか。

健作老人は、ある意味で立派でしたが、最悪の選択をしてしまいました。

小銭泥棒は、結局、自首してきました。
良心の呵責ではなく、殺人犯の容疑者にされてはたまらないと思って、先手を打ったのでしょう。