こんばんは。

稲葉の白兎です。

ミステリ案内人を名乗っています。

しかし、このところ、
ミステリ読書以外の趣味で忙しいです。

この
『愚者のエンドロール』も先日アップして以来とっくに読み終えたのですが

あまりに感動が無くて
紹介が億劫になっていました。

内容は学園ミステリ。

と言っても
殺人は出てこないのです。

ある生徒が文化祭用の映画のために書いた殺人の出る脚本を巡って
二転三転する話。

それなりに意外性はあったけど、
殺人が出てこないということで、
私の好みではなかったです。

はい、おしまい。

写真で後ろに隠れているのは、
『人狼サバイバル』。

ジュニア用だけど
めちゃ面白かった。

リアル人狼ゲームやるんだけど

残酷な殺人シーンはなし。

そこはSFチックに演出。

ジュニア用
と言えど、

人狼ゲーム好きな人は楽しめます。

欠点は、
登場人物が少ないこと。

あと影の薄い参加者は
わりと早く退場するのが不満。

普通の人狼ゲームのように
占い師、騎士、霊媒師、狂人‥
と、オーソドックスな役割配置。

前にも書いたけど、
上の名前が色で
下の名前が動物。

黒宮ウサギ

というふうに。

あと、このゲームを主催する謎の紳士・伯爵は、優しい人。

普通、こーいうこと企てる人は
鬼のような人でしょ?

参加者を生かさず殺さず、みたいな。

あるいは、人がもがき苦しむのをコッソリ見るのが好きな人だったり。

でも伯爵は、心底ゲームをギリギリ真剣に熱中してもらおうと
いい意味の創意工夫をしています。

強制的にやらせるわけだから
文字通りいい人ではないですけど。

ただのゲーム好きの
ド変態野郎ってところかな。

さて、同じ人狼ゲームでも
川上亮氏の
映画化が約束されている『人狼ゲームシリーズ』は、
残酷。

普通の殺人の出てくる推理小説の犯人の方が
人間的にマシかもしれないと
思わせてくれます。

何故かリアル人狼ゲームをやらされるのは高校生だけ。

それだけが不満。

私が主催者だったら
それはしない。もっと世間にまみれた大人の人たちにやってもらう。
高校生にやらせるのは
読者や人狼ゲームやる人が
高校生や若者が多いから。

シリーズ最新作『デスゲームの運営人』

マジですごいどんでん返しが面白かった。

どのシリーズも基本、面白いけど。

甲乙つけがたいくらい、

ベストを選べと言われたら困るくらい
どのシリーズもレベルが高いと言うか、
創意工夫を凝らして、
新鮮さを失わないのダ。

ほんと、偉い。

大体、ラストは驚かせてくれる。

一番驚いたのは『デスゲームの運営人』。

えっ、えっ!?
って感じで二度見ならぬ二度読みのラスト数ページ。

この人は天才だ。

江戸川乱歩二世だ(笑)。

よくネタが尽きないものだ。

呆然自失。

またシリーズ買い直そうかな。

『ロストエデン』や
『ラヴァーズ』も面白かったな。

『クレイジー・ア・フォックス』も驚いたっけ。

タイトルも実にいいですね。

カッコいい。
タイトルがそのまま内容と密接な関係があるので。

逆に『デスゲームの運営人』は、
なぜ日本語?
それまでかっこよくカタカナで
英語でまとめてたのに。

タイトルそのものが罠かも知れません。

確かにタイトルの先入観で、
最後に騙されますから。

英語のタイトルだと、
どんでん返しが100%決まらないかも知れません

ハッキリ言って
そこら辺のミステリより

よっぽど
意外性にすぐれ、
サスペンスに優れています。

なんて言うか、
完ぺきって感じ。

人狼をネタにここまでストーリーを作れるなんて。

ただ、実際の人狼は、
ここまで
参加者が綺麗な推理をしないだろうし、

優秀なプレイヤーも最初に吊られたりする可能性も。
人狼に勝利の方程式はない気がします。