こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
松本清張は旅好きの
旅情描写の上手いミステリ作家です。
本人のエッセイでも繰り返し出てきますが、
松本清張は若い時、
極端な生活苦だったため、
旅行なんて、
夢のまた夢。
汽車に乗っての旅は
憧れだったようです。
すごくよくわかります。
白兎めも、
列車旅行、大好きです。
それはおそらく、子供の時、
秋田方面の夜行列車に乗った経験から来ています。
自由席だったため、
乗車率100パーセントの車内で座れるはずもなく、
通路に新聞紙を敷いて座っての道のり。
今じゃ、そんな人、
いませんが
昔は指定席で出かけるなんて高嶺の花。
指定席なんて、
まるで巨人戦のキップを手に入れるのと同じくらい、
難易度が高かったのです。
並ばないとダメ。
寝台車両を見て、
度肝を抜かれたのを覚えてます。
寝台らしきものが三つ積み重なっている!
なんなんだ、あれは!?
カーテンでよく見えず、
中がどうなってるのか
気になって仕方がありませんでした。
羽後本荘という駅で降りるのですが、
ものすごい長丁場で
席にありつけないと、
地獄です。
しかも当時は、
相席の人が
断りもなく平気でタバコを吸ってたという‥恐ろしい時代でした(笑)
清張センセと同じ、
娯楽が少なかったので、
東京を脱出するというのが、
当時の一大イベントで、
列車に乗るだけで嬉しかった!
季節は流れて
食堂車も姿を消し、
秋田行きの昼間特急もなくなりました。
列車で一人旅ができる身分になりました。
噂に聞く青春18キップ
1日2500円分乗れば元が取れるという
5枚綴りのキップ。
実際は一枚で5枚分ですが。
1日で各駅列車だけで、
どこまで行けるんだろうと、
乗り鉄さんの誰しもがやってみる
机上の空論ならぬ
時刻表の旅。
西方面だったら岡山あたり。
宿に着くのが夜中というのは嫌なので、
実際的な計画です。
岡山あたりが妥当。
それとは別に、
5時間もの長丁場の在来線(ローカル線)を発見!
それが五能線という、
別名「リゾートしらかみ」
秋田ー青森間を走ります。
めちゃくちゃ乗ってみたくなりました。
まずは
各駅だけで秋田に着くことから。
そしてリゾートしらかみに乗るのは
翌日の朝。
上野を6時48分に出る宇都宮行きのラビット号に乗ることから始まります。
これに乗らないと、
この後の工程がめちゃ滅茶に。
上野→宇都宮→黒磯→新白河→郡山→福島→米沢→山形→新庄→秋田。
これでも東海道線で岡山に行くよりはラク。
黒磯で1時間、
新庄で1時間30分という、
待ち時間がなんとも、もったいなかったです。
秋田に着くのが夜の8時20分ごろということから、もっと縮まれば、
宿でゆっくりできるものを。
それはさーておき、
リゾートしらかみは
すごいヤバい電車でした。
景色最高
車両最高
座席最高。
イベント最高。
一番気に入ったのは、
売店が連結されてること。
こんなの、ななつ星トレインぐらいなのでは?
ローカル線とは思えないクルーズトレインぶり!
ぶな、くまげら、青池という3種類の列車がリゾートしらかみにはあるらしいのですが、
たまたま1号としてホームに入ってきたのは
「ぶな」号でした。
緑色の爽やかな車両で、
木のイメージ。
景色がいいのと、
クロスシートだったので、
ワクワク止まりません!
松本清張センセもこんな列車に乗った日には、
どんな作品を書くんでしょうか。
子供の頃の憧れの列車の在り方が
このリゾートしらかみにはありました。
ゆったりの、
景色を楽しめる窓際の新幹線型4列シート








