こんばんは。

稲葉の白兎です。

ミステリーのブログやってます。

大河ドラマの撮影が滞って
まだ本編が放送されませんが

その間にTBSの「半沢直樹」と
松本清張の長編小説「湖底の光芒」を楽しみました。

湖底の光芒は、
古い作品でなかなか書籍化されず
国会図書館で読むしかないと諦めていたところ、
去年の5月の横浜の文学館に行った時、手に入りました。

松本清張特集をやっていた時です。
光文社から出たやつで、
「地の指」と共に買いました。

で、どういうわけか、
なかなか読めずにいました。

タイトルに魅力を感じなかったからですね。

湖底の光芒。

何で湖底?

でも、まさか本当に湖底が出てくるとは。

それも放映中の半沢直樹とかぶるものがありました。

企業買収
計画倒産
下請けいじめ‥

舞台は小さなレンズ・メーカー。
ニコンとかキヤノンとかのカメラメーカーの下請け工場です。

カメラメーカーの都合で
納品がキャンセルになった大量のレンズが、
諏訪湖の底に眠っているそうです。

ハイランド光学という大手カメラメーカーの専務が、悪い奴です。

他にも悪い奴が出てきますが、
いい人も出てきます。

主人公は、その小さなレンズメーカーの女社長。
イライラするくらい、受け身でお人好しなキャラクター。

受注先の言いなりになったり、
死んだご主人のヤンチャな妹に翻弄されっぱなしで、
ホントにイライラします。

でも、清張センセの好みの、
美人で若い未亡人なので、
会社を乗っ取られたりはしません。(笑)

そして何故か受注先として
ラビット光学が出てきます。

ラビット。

可愛い。

ウサギの目はキレイなので
レンズ会社の名前としておかしくないと、元カメラメーカーの友人が言ってました。

キヤノンのEOS に大きなウサギのイメージキャラクターを思い出します。

半沢直樹の劇中企業「スパイラル」のマスコットキャラクターもウサギだったので、
シンクロニシティのようで思わず笑ってしまいました。

ラビット光学は、悪い受注先ではありませんが、
突然、主人公の会社に対し、
不本意な納品キャンセルをします。

ラビットは、ハイランド光学のライバルのメーカー寄りなので、
主人公とハイランドが契約するという噂を聞いたので、
クレームみたいなものを付けたのです。

堪らないですよね、
その程度のことでキャンセルされては。

あーしろ、
こーしろ、
早く納品しろと言った挙句に

製造中止になりましたとか、ね。

本編には、
そのせいで会社を畳んだり、
首を吊ったりする経営者がゴロゴロと出てきて、

ミステリーと言うより
下請け会社残酷物語って感じです。

実際、これは推理小説でもなく、
企業小説ですね。

でもそこに恋愛絡みのストーリーを絡ませてサスペンスに持っていくあたりは
松本清張センセの真骨頂です。

諏訪湖に行ったら、
レンズが眠ってないか、
探してしまいそうで怖いです。

ラストはちょっとしたホラーでした。




そうそう、表題にもある通り、
小倉まで清張記念館行きました。

もう、感動ですよ。

癒しの空間ですよ。

博物館の真ん中に、
清張氏の書斎を再現してまして、
まるで、
家が丸ごと入ってるような感じです。

黒い霧に関するオリジナル・ドキュメンタリー映画も
見応えがありました。

ほぼ半日近くいました。

このことは、
感動が多すぎて、
何から話していいかわからないほどです。

カフェがあって
清張カレーとも言うべき、
渦巻模様のカレーが
ありました。


いかがですか?
なかなか面白いメニューですよね。

食べたかったですが、
営業してませんでした。

売店ではほとんどの清張作品の文庫が
売ってました。

これだけの品揃えは
他の店にはないですね。

小倉駅から巡回バスで
三駅目でしたか。

歩けば15分ほど。

隣は小倉城です。

便利で行きやすかったです。

博多を除けば
九州で一番大きな駅なのでは?

「アニメイト」までありましたから。