こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
小学生5年生で
江戸川乱歩の『呪いの指紋』に
ハマってしまい、
江戸川乱歩、ポプラ社シリーズ制覇!
呪いの指紋は本名『悪魔の紋章』。
同じやん!
でも「指紋」のインパクトは大きい。
『紋章』だと抽象的すぎるやろ。
呪いの指紋には、
トリック
連続殺人
意外な犯人
など、本格推理小説に欠かせないポイントが満載で‥。
子供を驚かすには十分。
暗黒星、地獄の仮面、緑衣の鬼、
白い羽根の謎、幽鬼の塔‥etc
どれもこれも、それなりに
面白かった
最後が『三角館の恐怖』。
これはポプラ社シリーズのラスボス🦹♂️
もう、大人が読んでも面白い。
欠点がない。
ストーリーとトリックが見事に融合。
実は外国の作家が書いた佳作なんですが、
乱歩が翻訳して乱歩の名前で出したら
本家までが有名になったという‥。
本名は『エンジェル家の殺人』。
そんなことはどーでもよい。
今回は乱歩好きの私が
なぜ松本清張に⁈
ということを言いたい回です。
全く真逆の作家なのですが、
実は子供の頃から私は
清張センセの作品に憧れてました。
読まないけど好き💗
なんじゃそりゃ。
それは、本を買うと、
そのシリーズが巻末にタイトルが
載ってますよね?
特に推理小説は、そうです。
光文社のカツパノベルス。
そこには松本清張が先頭に来てました。
Dの複合
点と線
遠い接近
風の視線
波の塔
考える葉
二重葉脈
‥‥。
友達に『黒い画集』を借りて
読み終わったら
巻末にあったそれらのタイトル。
黄色い風土
火の路
黒い福音
溺れ谷‥
なんか知らんけどタイトル凄すぎるわ!
この抽象的なタイトルに
相当惹かれましたね。
私はこの日以来、タイトルマニアになりました(笑)
タイトルを眺めては
勝手に内容を妄想。
自分も小説が書けるかも知れない!!
『白い断崖』という短編を書きました。
意味?
断崖は出てきます。
白に意味はない。
松本清張のマネをしただけ。
でも不思議。
タイトルを考えていると、
ストーリーが後からついてくる!!
黒い画集は、
短編を集めたアンソロジー。
でも『遭難』しか読めなかった。
他のはつまらないか、
難しすぎた。
映画になった『天城越え』は全部読めた。
少し難しかったけど、
犯人の意外性がありました。
映画になった時はなるほどと思った
子供の時は清張は
短編を読むのにさえ苦労。
不倫の話は、
正直、面白くない。
子供には、その良さや味がわからない。
黒い画集は、
そういう男女のもつれが多く、
しかもベタベタしてたので
これはまだ私には早いと、敬遠。
でも遠巻きにタイトルの良さだけは
憧れて、
いつか読めるようになりたいものだと思いました。
水の炎🔥
これも作品タイトル。
何のことかわかりませんが、
想像力を掻き立てられます。
早く読みたい。
早く人間になりたいー!!
お前は妖怪人間か。
そう、妖怪人間でした。
ベムみたいに
「早く清張が読みたい、読めるようになりたい」
と、恋焦がれてました。
中学生になり、
点と線を読みましたが、
ただ読んだだけ。
さらに『風の視線』を買いました。
うわ、これ、殺人が出てこない!
これも時期尚早。
高校生で『黒の回廊』に挑戦。
思ってたほど難しくなくて
拍子抜けした。
でも十代や二十代では駄目でしたね。
良さが全然わからない。
理解できるものと理解できないものに分かれてしまいます。
三十代でやっと『ゼロの焦点』など
大型長編を読み始めました。
砂の器は全部で3回は読みました。
言わずと知れた人気作品ですが
若い時は
こういう、チンタラしたのがどうにも苦手で‥。
飛ばし読みをしてしまうんです。
清張読破の鬼になったのは
さらに10年の年月を要しましたね。
子供の時には圧倒的にパズル的な
本格推理を好みますが、
オトナになると、
油つこい、チンタラした小説も読むのが
苦ではなく
逆にメッチャ読みやすいやん、
このヒトはーーー。
しかも、
恋愛、日本史、ドキュメントと
幅広くどれも今となっては興味深いです。
この二大巨匠は
タイトルが素晴らしい!
松本清張の良さは
妙に難解で抽象的なタイトルがとっても
オサレ。
オシャレです。
子供の時の第六感は
間違っていなかった。