こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
新潮社の
「呪殺島の殺人」
を読み終わりました。
ドキドキハラハラの4日間でした。
読み終わるのにかけた日数ですね。
一応、タイトル通りに
孤島であり、
吹雪の山荘。
つまり、ちゃんとしたクローズドサークルで、
久々の佳作でした。
東野圭吾の吹雪の山荘くらいには
楽しめました。
ゾンビは出てこなかったし、
ちゃんと最初の閉じ込められた8人のメンバーの中に
犯人がいました。
猟奇連続殺人。
殺人は全部で5つ。
犯人当ては、
まあ、当たりました。
ハズレてもよかったんですが、
例えば古陶里さんとかが犯人だと
すごいどんでん返しでよかったのにな
ただ、
欠点もありました。
一つは人物造形。
男だか
女だか
若いのか
中年なのか
老人なのか、
今一つわかりにくかった。
女なのに男みたいな喋り方する人。
今どきなのかもしれませんが、
あんまり好きじゃない。
男なのに女っぽい人もいましたね。
主人公が女性的。
性別逆転のトリックではないのに、
赤江神楽とか、
名前からして
性別不明。
嘘っぽいキャラクターの人ばっかりでした。
登場人物の描写に深みがない。
人形、あるいはマンガみたい。
主人公がちょっとやりすぎ。
まるでラノベ。
ボッチとか、ワンチャンとか、
出てきたらどうしようかと思いました。
呪いとかイマイチわかりにくい
そう、すべてにおいてわかりにくい。
セリフが軽いタッチとは別な意味で。
大島兄弟の説明不足。
紅玉と白朱の違いが
服装や髪型だけなんて、
もうちょっとなんとかしましょうよ。
きっと若い人が描いたんだろうなあ。
犯人当てものとしては
正統派でよくできていたのに。
次回、期待です。
サスペンスはよかった。
一番犯人らしくない人が犯人なのもよかった。
今どきの若者たちと時代錯誤の変わった姉妹
異様に今どきの言葉連発しまくりの若者がいる一方で
古臭い言葉づかいと服装の旧家の姉妹
私は犯人は男だと思いました。
理由は、赤江神楽の跡取りが男性で、
手紙も男性に向けて
書かれていたからです。
サイコパスの編集者は女性。
この人だけが
唯一、まともだった気がします。
全然まともじゃないけど
他の人物よりキャラ造形ができてたのと
一番リアリティがあったから。
古陶里もよかったけど、
全く外見のイメージが湧かない。
変わった名前なのに、
なぜ誰も言及しない?
美少年
弁護士
警官
強引な仕切り魔の記者‥
それにしても何で登場人物表がないのかな?
あと、記憶喪失って
普通、性格も喋り方も忘れてるはずなのに
記憶以外は元のキャラクターのまんまって
とても不自然。
部屋で女性と二人きりでドキドキしないのも、
気まずくならないのも
幼なじみという理由だけで、納得している主人公が
不自然。
普通、異性は気になるでしょ?
まあ、やりすぎても
推理モノとして邪魔になりますから
ホント、この人、
人物描くのが表面的すぎて残念。
人間が描けていない。
まあ、でも本格ものであって、
社会派推理じゃないから、
漫画チックになっても仕方ない?
あー、でも久々の
本格ミステリ。
こういうのが刊行されてるなんて
ホッとします。
読んでよかったです。