こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
「麒麟がくる」
初回はあんまり面白くなかった明智光秀の大河ドラマ。
理由の一つがキャストが地味。
常連の俳優がほとんどいないという‥。
でも今ではめっちゃ面白いです。
マチャアキこと堺正章演じる医者が着ている衣装が
見てて楽しい。
帰蝶役の女優がキレイ
そして何より
斎藤道三役のモツクンが素晴らしい!!
斎藤道三=悪い奴
煮ても焼いても食えない奴
頭がハゲて出腹のとんでもなく腹黒いオヤジ
こんなイメージだったので
元イケメンアイドルのモックンが斎藤道三!?
今でも十分イケメンですが
ちょっとアレ〜だったのですが、
回を重ねるごとにどんどん斎藤道三みたいになっていくではないですか?
過去最高の道三?
いえいえ
そもそも私はドラマで斎藤道三を見たことがありません。
出腹のハゲオヤジ像は、
「美濃のマムシ」という言葉だけを知っていたので
自分の単なるイメージです。
実は松本清張の短編に
斎藤道三を主人公にしたものがありまして。
タイトルはちょっと忘れましたが、
その斎藤道三は魅力的でした。
てか、読んでるうちは道三だとわからなかった。
何しろ美少年の寺坊主という設定だったので。
で、この美少年は自分でもアタマのキレることを
自覚しだし、
坊主を辞めて、薬売りかなんかになります。
そしてどんどん世渡りが上手くなって、
仕えている主人を謀殺し、
それを繰り返して大名になったのです。
清張センセは、
ほんと、話作るのが上手くて、
引き込まれましたよ。
なんでこのヒト、
こんな悪いことしてのし上がろうとするんだろう?
頭がいいんだから、もっと他の生き方もあったのに。
てか、話は面白いけど、
ヤバイよ、このヒト。
って感じでした。
マムシってあだ名だそうですが、
それって、世間の人は彼の悪事を知ってるんだろうか?
そりゃ、仕えるところ、仕えるところ、
主人がいつも死んでいたら、アイツ、怪しいってなるかもね。
もう一つ、
ガラスの仮面の作者・美内すずえの
短編の漫画に
濃姫を主人公とした漫画がありました。
そのマンガの道三という親父がデブハゲで、
(笑)
それで絵からの印象もありましたね。
でも松本清張センセの話では、
道三は美形の悪役。
センセは、理由もなく造形を作らないので、
案外、斎藤道三は美形だったのかも。
だからモックンもあり。
で、漫画の道三は
織田信長に嫁ぐ濃姫に
つまらない男だったら寝首をかけと、
娘に命ずるのです。
マンガの濃姫は
かなり勝気で気位の高そうな娘でした。
この親にしてこの娘。
信長もそれはお見通しだったようでした。
濃姫の誤算は
信長がスケールの大きい男だと気づいたこと。
地獄の果てまでもついていきますと
信長に一目惚れしてしまうんですな。
で、本題に入りますが、
本当に道三は悪い奴だったのか?
下克上の代表ですからね、
悪いことのひとつや二つは‥。
それにしても何故マムシ⁈
美濃のマムシ。
誰が付けた?
司馬遼太郎の創作?
まあ、目立つ人だったんでしようね。
「麒麟がくる」の斎藤道三は、
悪い人の割には
娘、息子、側室を可愛がっていたではありませんか?
ドラマの主人公の明智光秀にも別段
酷いことをしてないし。
家臣や身内には、それほどでもないような。
普通のワンマン社長って感じ。
このモックンが前半の主人公のようにドラマを牽引して
目が離せません。
急にその松本清張の短編が読みたくなってきました。
安国寺恵瓊を主人公にした
「背伸び」という短編小説に
多少、似ているところがありますね。
どちらも坊主です。
人を見る目があります。
どちらも強運の持ち主で
ヨミが次々と当たり
頂点に達しましたが
最後は破滅しました。