こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
ミステリの父と言えば
江戸川乱歩と言ってもいいですよね?
横溝正史や高木彬光など、
国内の本格推理作家の巨匠たちの
お手本になっていると思います。
読者の中には、
すぐに犯人がわかるだの
似た話を使い回しているだの
トリックや動機が大時代的だの、
思う人もいると思います。
でも乱歩のいいところは
読みやすさ
タイトルの個性的さ、
ジャンルの幅広さです。
私は、中学生までにポプラ社のジュニア版は全部制覇しましたが
そのなかでも今、読んでもレベルが高いのは
短編なら
「心理試験」
長編なら「死の十字路」
(大人版は「十字路」ですね。)
なぜ「死の十字路」?
と思われた方もいるでしょうね。
乱歩のオリジナルではないので、
「十字路」にしました。
この小説は
犯人当てではありません。
サスペンス系です。
犯人は最初からわかっています。
かと言って、
刑事コロンボのような倒叙ものとも違うのです。
トリックはないも同然なので。
計画殺人でもない。
本当に普通の、突破的な殺人で、
サスペンス小説なのです。
妹には彼氏がいて、
結婚したい。
お兄さんに承諾してもらおうとします。
よくあるパターンですが、
お兄さんは大反対!!
だからと言って、
相手がろくでもない男というわけではありません。
むしろ、許可してくれないお兄さんの方にこそ
非があります。
妹を取られたくないんでしょうね。
男同士のケンカに発展します。
そして、
お兄さんは頭をぶつけてしまいます。
お兄さんは、
そのままフラフラと外に出ます。
心配した妹とフィアンセが
お兄さんを追いかけます。
お兄さんは、
ほぼ泥酔状態のような格好で、
たまたま止まっていた無人のクルマの中に入り込みます。
単純に何処かに腰を下ろしたかったといった
テイです。
さて、一方の不倫のあげく
奥さんを殺してしまった旦那は、
死体を捨てに行く途中、
焦ったあまりか、
信号の変わり目で事故を起こしてしまいます。
その信号こそ運命の交差点だったのです。
全く違うグループの人生が交錯したのです。
交番で取り調べを受ける旦那さん。
どうにかこうにか、
取り調べを切り抜けて、
お巡りさんに車のトランクまでは
見られずに済みました。
ピンチを切り抜けたかに見えました。
こういう時に油断、
ホントのピンチが来るのですね。
後部座席に
例の結婚反対のあげく
怪我をしたお兄さんが乗っていたのです。
座っているというより、
寝転がってるわけですね。
実はこのままお兄さんは
頭の打ちどころが悪かったのか
絶命してしまいます。
運転手はそれに気づくことなく、
急いで車を山奥まで走らせます。
過去に行ったことがある石切場の井戸。
死体を捨てるのに好都合だと思いました。
まんまと現地に着いて
サテ、死体を井戸に放り込もうと思った瞬間、
後部座席に見知らぬ男性の死体に驚愕します。
まあ、そうですよね。
誰も死体が車に乗ってるなんて思いもしません。
あまりの出来事に悲鳴を上げたかもしれません。
ワケがわからない。
しかし、だんだんと冷静になり、
一つ捨てるも
二つ捨てるも
おんなじだ
という結論に達します。
このダンナさん、
やっぱり
読者はハラハラし、同情します。
ドキドキします。
お化けが出るより怖いです。
さて、相方は無事に熱海から戻ります。
男は、見知らぬ死体も一緒に捨てたことを
打ち明けます。
多分、大丈夫。
誰だから知らぬが、
少なくとも相手は自分の生活圏外ということで、
動機がないので安心します。
一方、ケンカの晩から
行方不明になったお兄さんを心配する妹は、
私立探偵に捜索を依頼。
私立探偵は、お兄さんの足取りを懸命に追います。
そして、
問題のその時間帯に
小さな交通事故が近辺にあったことを知ります。
忽然と消えたお兄さんと
その交通事故車を
結びつけた探偵。
お話はまだまだ面白くなります。
不倫カップルは、
死体が出てこない以上は
安全だと、
証拠がないことを拠り所にします。
大丈夫だ、
大丈夫だ
大丈夫だーーー
どうです?
乱歩らしくない、
よく出来た話です。
スリル満点です。
不倫カップルが
いかにして
ピンチを切り抜けるか、
私立探偵は
どこまで
肉薄できるのか?
交差した二つのグループは、
全く対照的な結果を辿るのです。
そこも含めて
妙に現代チックで面白い!
全然関係ないですけど
さっき食べた
某コーヒーチェーンのケーキです。
モンブランのミント
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
ミステリの父と言えば
江戸川乱歩と言ってもいいですよね?
横溝正史や高木彬光など、
国内の本格推理作家の巨匠たちの
お手本になっていると思います。
読者の中には、
すぐに犯人がわかるだの
似た話を使い回しているだの
トリックや動機が大時代的だの、
思う人もいると思います。
でも乱歩のいいところは
読みやすさ
タイトルの個性的さ、
ジャンルの幅広さです。
私は、中学生までにポプラ社のジュニア版は全部制覇しましたが
そのなかでも今、読んでもレベルが高いのは
短編なら
「心理試験」
長編なら「死の十字路」
(大人版は「十字路」ですね。)
なぜ「死の十字路」?
と思われた方もいるでしょうね。
マイナーで、
それほど有名な作品ではないです。
もっとも本格モノで評価の高い作品は少ないですが。
本当は「三角館の恐怖」
最高傑作なんですが、
もっとも本格モノで評価の高い作品は少ないですが。
本当は「三角館の恐怖」
最高傑作なんですが、
乱歩のオリジナルではないので、
「十字路」にしました。
この小説は
犯人当てではありません。
サスペンス系です。
犯人は最初からわかっています。
かと言って、
刑事コロンボのような倒叙ものとも違うのです。
トリックはないも同然なので。
計画殺人でもない。
本当に普通の、突破的な殺人で、
サスペンス小説なのです。
でも、物語が抜群に面白い。
乱歩らしさがまるで無く
だからこそ、傑作。
それ、褒めてます?
と言われそうですね(笑)。
乱歩を否定するわけではありませんが
ヘンテコな怪物、怪人、変態、変装、女装
猟奇とは無縁です。
しかもリアルな不倫が出てきます。
子供ごころに
「えっ、いいの?」と思いました。
つまり、子供用の本として
ポプラ社さん、編集していいの?という意味。
三角関係が冒頭にいきなり出てきます。
高層階のマンション。
奥さんと旦那がケンカ。
喧嘩の理由は、
ダンナに愛人がいること。
乱歩らしさがまるで無く
だからこそ、傑作。
それ、褒めてます?
と言われそうですね(笑)。
乱歩を否定するわけではありませんが
ヘンテコな怪物、怪人、変態、変装、女装
猟奇とは無縁です。
しかもリアルな不倫が出てきます。
子供ごころに
「えっ、いいの?」と思いました。
つまり、子供用の本として
ポプラ社さん、編集していいの?という意味。
三角関係が冒頭にいきなり出てきます。
高層階のマンション。
奥さんと旦那がケンカ。
喧嘩の理由は、
ダンナに愛人がいること。
愛の巣に奥さんが乗り込んできたのです。
奥さんが愛人のことをなじり、
ダンナが勢い余って奥さんを殴り殺すだか、
何かの角にぶつけて打ちどころが悪くて死亡だか
します。
旦那は慌てて、愛人と共に隠蔽を
図ろうとします。
愛人が奥さんに化けて、
熱海の錦ケ浦だか鏡ケ浦まで行って
自殺に見せかける
ダンナのほうは奥さんの死体を
車のトランクに入れて山奥まで捨てに行きます。
なかなかスリリングです。
上手い隠蔽工作ですが
そうは問屋が卸さないのですー♪
場面は打って変わって
どこかの画廊。
いえ、銀座の画廊です。
画廊と言えば銀座です。
ここでも3人がトラブル。
仲のいい兄と妹。
奥さんが愛人のことをなじり、
ダンナが勢い余って奥さんを殴り殺すだか、
何かの角にぶつけて打ちどころが悪くて死亡だか
します。
旦那は慌てて、愛人と共に隠蔽を
図ろうとします。
愛人が奥さんに化けて、
熱海の錦ケ浦だか鏡ケ浦まで行って
自殺に見せかける
ダンナのほうは奥さんの死体を
車のトランクに入れて山奥まで捨てに行きます。
なかなかスリリングです。
上手い隠蔽工作ですが
そうは問屋が卸さないのですー♪
場面は打って変わって
どこかの画廊。
いえ、銀座の画廊です。
画廊と言えば銀座です。
ここでも3人がトラブル。
仲のいい兄と妹。
妹には彼氏がいて、
結婚したい。
お兄さんに承諾してもらおうとします。
よくあるパターンですが、
お兄さんは大反対!!
だからと言って、
相手がろくでもない男というわけではありません。
むしろ、許可してくれないお兄さんの方にこそ
非があります。
妹を取られたくないんでしょうね。
男同士のケンカに発展します。
そして、
お兄さんは頭をぶつけてしまいます。
お兄さんは、
そのままフラフラと外に出ます。
心配した妹とフィアンセが
お兄さんを追いかけます。
お兄さんは、
ほぼ泥酔状態のような格好で、
たまたま止まっていた無人のクルマの中に入り込みます。
単純に何処かに腰を下ろしたかったといった
テイです。
さて、一方の不倫のあげく
奥さんを殺してしまった旦那は、
死体を捨てに行く途中、
焦ったあまりか、
信号の変わり目で事故を起こしてしまいます。
その信号こそ運命の交差点だったのです。
全く違うグループの人生が交錯したのです。
交番で取り調べを受ける旦那さん。
どうにかこうにか、
取り調べを切り抜けて、
お巡りさんに車のトランクまでは
見られずに済みました。
ピンチを切り抜けたかに見えました。
こういう時に油断、
ホントのピンチが来るのですね。
後部座席に
例の結婚反対のあげく
怪我をしたお兄さんが乗っていたのです。
座っているというより、
寝転がってるわけですね。
実はこのままお兄さんは
頭の打ちどころが悪かったのか
絶命してしまいます。
運転手はそれに気づくことなく、
急いで車を山奥まで走らせます。
過去に行ったことがある石切場の井戸。
死体を捨てるのに好都合だと思いました。
まんまと現地に着いて
サテ、死体を井戸に放り込もうと思った瞬間、
後部座席に見知らぬ男性の死体に驚愕します。
まあ、そうですよね。
誰も死体が車に乗ってるなんて思いもしません。
あまりの出来事に悲鳴を上げたかもしれません。
ワケがわからない。
しかし、だんだんと冷静になり、
一つ捨てるも
二つ捨てるも
おんなじだ
という結論に達します。
このダンナさん、
やっぱり
読者はハラハラし、同情します。
ドキドキします。
お化けが出るより怖いです。
さて、相方は無事に熱海から戻ります。
男は、見知らぬ死体も一緒に捨てたことを
打ち明けます。
多分、大丈夫。
誰だから知らぬが、
少なくとも相手は自分の生活圏外ということで、
動機がないので安心します。
一方、ケンカの晩から
行方不明になったお兄さんを心配する妹は、
私立探偵に捜索を依頼。
私立探偵は、お兄さんの足取りを懸命に追います。
そして、
問題のその時間帯に
小さな交通事故が近辺にあったことを知ります。
忽然と消えたお兄さんと
その交通事故車を
結びつけた探偵。
お話はまだまだ面白くなります。
不倫カップルは、
死体が出てこない以上は
安全だと、
証拠がないことを拠り所にします。
大丈夫だ、
大丈夫だ
大丈夫だーーー
どうです?
乱歩らしくない、
よく出来た話です。
スリル満点です。
不倫カップルが
いかにして
ピンチを切り抜けるか、
私立探偵は
どこまで
肉薄できるのか?
交差した二つのグループは、
全く対照的な結果を辿るのです。
そこも含めて
妙に現代チックで面白い!
全然関係ないですけど
さっき食べた
某コーヒーチェーンのケーキです。
モンブランのミント

