こんばんは。
ミステリ案内人・稲葉の白兎です。

江戸川乱歩の少年向け推理小説は、
タイトルが違うものが多いです。

呪いの指紋→悪魔の紋章
時計塔の秘密→幽霊塔
死の十字路→十字路

これらはそんなに変わってないですが、

地獄の仮面→吸血鬼

は、相当変わっている気がします。

吸血鬼というタイトルは、
意味がわかりません。

吸血鬼も吸血鬼らしき怪物も
出てこない。

地獄の仮面の方がむしろ、
しっくりときます。

何しろ、たくさん人が殺されます。
特に中盤は
何が何だかわからないです。
まとまりがないです。

「魔術師」に似ています。

魔術師というタイトルもイマイチですが。

必然性が感じられません。

大人になって「吸血鬼」を読んだ時
「あ、これは地獄の仮面だ」とピンときましたが、

問題はなぜ
似ても似つかぬタイトルになったのか⁈

吸血鬼というタイトルになった理由がわかりません。

そして
「化人幻戯」。

まるで松本清張センセが作ったような
意味わからないけどカッコいいタイトル。

ジュニア版は
「白い羽根の謎」。

これも、まあまあカッコいいです。

白い羽根が、言うほど重要でも何でもなかったような気もしますが。

問題は、
両タイトルともカッコいいのに、
中身がタイトルほど面白くなかったということです。

白い羽根の謎

今にして思えば
犯人を当てて見せた最初で最後の作品です。

犯人、当たったけど、
面白くなかった。

つまらなくはないけど
「化人幻戯」というタイトルは
大袈裟な気もします。

トリックもそれなりにちゃんとあるんだけど、
ストーリーがそれほど面白くない。

登場人物が少ない。

それが証拠に細かい筋を覚えていません。

綺麗な女の人とハンサムな男の人と
中年の因業ジジイが出てきたという、
いつもの話です。

タイトルだけが一人歩きをしてる感じです。

呪いの指紋
魔術師
暗黒星
地獄の仮面
緑衣の鬼 
地獄の道化師
一寸法師
三角館の恐怖


みんな、犯人を当てられなかった。

暗黒星で引っかかるくらいですから、
私の音痴も相当なもの?

でも、だんだんパターンが
わかってきました。

白い羽根の謎は、
犯人当てたけど不満。

それなら
外れても予想外でもいいから、
面白いほうがいいです。

犯人当てに重きを置くと
肝心の読書が楽しめなくなるので、
あまり、
真剣に考えないようにして読みます。

意表を突かれたほうが面白いですからね。