こんばんは。
稲葉の白兎です。
八つ墓村の舞台を見てから、
「犬神家」の作品にも想いをはせました。
犬神家は映画のインパクトが強いですが、
原作にも忠実です。
八つ墓村は、話がスペクタル過ぎて、
全部の殺人を出すのは2時間では無理のよう。
舞台も、被害者が半分くらいしか出てこなかったです。
結局何人死んだのか?
八つ墓村ですから、
本来なら8人なんですが
5人程度に終わってました。
初七日で毒膳を食べる和尚さん、
そもそもの殺人プロットを書いた原作者でもあり、
村医者の久野恒美センセは、
重要参考人。
この人が後半、まるっきり出てこないし、
生死不明。
完全に舞台では蚊帳の外になってました。
小竹ばあさん。
ピンピンしてました。(笑)
現実の殺人も、
8人死なないと
絵にならないのになあ。
久野センセの放置はちょっとなあ。
犬神家の舞台は観てないですが、
八つ墓村より、やりやすそう。
犬神家はミステリーのトリックとしては、
偶然に頼り過ぎて
イマイチなんですが、
話としては、面白いですね。
横溝正史のベスト5は、
客観的に見て
獄門島
犬神家
八つ墓村
悪魔の手毬唄
本陣殺人事件
でいいんじゃないかと思います。
獄門島の評価が一般的に高いのは、
もちろんトリックが優れているから。
ビジュアル的にも優れています。
犯人当ても難易度が高い。
人気度で言うと、
トリックに優れた
「本陣‥」よりも
圏外の「悪魔が来たりて笛を吹く」のほうかな、
と思います。
「‥笛を吹く」は、
トリックはないし、
犯人も後半バレバレだし、
難はあるんですが、
後味の悪さも含めて
ドロドロが凄すぎて
インパクト大。
犬神家の通俗性と似たところが
あります。
私的には
本陣は論外で、
手毬唄も
インパクトが弱いです。
「手毬」は、
バランス良いのですが、
見立てトリックと
人間のキャラクターが
印象に残らな過ぎ。
犯人が、浅ましくない?
犬神家と八つ墓村の犯人は、
こんちくしよう!と言いたくなるぐらい
浅ましいので。
被害者の少女たちもキャラが立ってないし、
恩田とかいう奴が絡む因縁の話は、
難しくてワケがわからない。
手鞠歌が作者のオリジナルなのも弱い。
獄門島は、松尾芭蕉使いました。
もっと早く手鞠歌の歌詞を出すべきでは?
ストーリーとしては悪くないけど、
ドロドロ感が薄いですね
あと、動機。
そんなことで殺すなや!!
ハハハ。
最初に読んだ時は、それなりに
呆気に取られましたけど。
おりん婆さんとか、要らないかなあ。
「本陣」の三本指の男も。
ぜったい、犯人なワケないじゃん。
怪しんでくれ、怪しんでくれと言わんばかりで
イライラしてしまいました。
それを言ったら、
「笛」に出てくる椿子爵の幽霊もですが。
どの作品も欠点はあるんですが、
トリックと通俗性のどっちをとるか?
八つ墓村は、
どっちもすごいかな。
現実世界のかけらも無さそうな、
大きな話ですが、
単純に面白い。
冒険物語として、成立するのがすごい。
むしろ、きちんとした殺人計画書があったなんて、
オマケのようなもの。
いやあ、ドロドロの良さがわかる歳に
なったといったところです。
お金。
復讐。
情欲。
これから横溝正史を読むアナタ、
登場人物の相関図を
家系図を
作って読んだほうがいいですよ。
百倍楽しむために。
横溝センセは、
必ず
謎は回収してくれるので。
わざとボカすとか、
読者の想像に委ねるとか、
あんま無いです。
最後に
気に入らない事があるとすれば
犯人が自殺すること。
死んで済むと思ったら大間違いだぜ!
(笑)
金田一先生、
そこは、アンさんも頼みますわ。
自殺幇助もたいがいにしないと。