こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
小学生の時、
親友とも言える同級生が
「八つ墓村」の漫画を貸してくれ、
横溝ワールドを垣間見ました。
落武者騙し討ちの村まつりのシーンは
ホラー以外の何物でもなく、
双子の老婆といい、冒険心を沸き立たせてくれました。
ほんと、感謝です。
下巻がどんなに待ち遠しかったことか。
その同級生は、
映画「犬神家の一族」を見に行ったそうです。
パンフレットを学校に持ってきてました。
パンフレットには、
正視できない写真が載ってました。(笑)
その子も興味あったみたいで、
ませた子だなあ。
今だと全然何てことないシーンですが、
女の人のハダカなんですけど。
もうそれだけでイケナイ感じ。
興味深々だけど、
人前ではジックリ見れない(笑)
腹違いの姉妹・松子、梅子、竹子による
父の愛人の青沼菊乃への
リンチのシーンです。
裸にしてホウキで叩いてたような‥。
あれがなぜかドキドキして、
テレビでも
家族の前で正視できませんでした。
横溝正史はそれ以来、
私の中で
ヤバいシーンをミステリに挿入する人
になってしまいました。
(>_<)
考えてみたら
そこだけしか、
特にヤバいものはなかったです。
男女の愛欲のシーンもありません。多分。
それよりも
菊人形の生首や、
琴の糸で首を締めるシーン(これはすごい!)
斧で頭をかち割るシーンがよほどホラー的刺激があります。
横溝映画の得意技ですね。
死体のコラージュがね。
逆さ足パッカーンは、
もうお馴染みというか、名シーンですね。
さっきの話に戻りますと、
その同級生の見せるパンフの折檻シーンが印象強いので、
小学生には刺激が強かったですね。
そして何と言っても
「俺は青沼静馬だよ!!」
これより有名なセリフは、
「天は我々を見放した」
八甲田山。
ぐらいなもんです。
クラスの男の子たちも、
突然意味なく
「オレは青沼静馬だーー」と叫んでたような
ゴムマスクから、
しわがれた声でやるのが面白かったです。
そして
あれだけ面白かった映画なのに
原作読んだら
映画以上の楽しさ・新鮮さはなかったです。
多分、順序が逆だったら
楽しめたでしょうね。
ゾッとしたのは、
青沼静馬と母を折檻した松子たち姉妹は、
反省や後悔をしてないどころか
徹底的にバカにし、憎んでたところが
ゾッとしました。
静馬君の気持ちもわかりますが、
調子に乗ってしゃべるあたり
ショボく感じました。
いけ好かない人物の集まりですね。
八つ墓村は、
原作を読んだら、詳しくて、
いろいろと犯人の計画には、恐れ入りました。
原作こそ面白いです。
犬神家は、映画がすべて。
静馬君がペラペラ喋らなかったら、
犬神家の相続はどうなってだんだろう。
人間の弱さ、汚さがよく現れた人間小説ですね。