こんばんは。

ミステリー案内の稲葉の白兎です。

八つ墓村

言わずと知れた横溝正史の最高傑作。

人気としては
「犬神家の一族」と双璧をなすものと思っております。

角川映画によるインパクトでしょうね。

犬神家は、
金曜ロードショーで最高視聴率を取れたし

見てました。アハっ。

原作を知らなかったせいか
余計に映像によるインパクトが強く
確かに面白かったです。

佐清スケキヨのゴムマスク

菊人形の生首

諸々ありますが、
あまりにも特筆すべきことが多すぎて
控えます。

原作を後で読んだら
映画ほどには感銘を受けませんでした。

「八つ墓村」は
漫画で最初に読み

そのあと原作を読みました。

映画やテレビも前後しました。

八つ墓村は原作が衝撃的でした。

漫画もそれは入り口としては
最高でした。
何しろ、今までこんな漫画は読んだことがなく、
他のホラー漫画などメじゃなくなるくらいコワ面白かつたのです。

怖さに「推理」が加わると
鬼に金棒。

しかし
いくら考えても
犯人は分からずじまい。

双子の老婆?
濃茶のアマ?

まさか英泉とかいうお坊さん?
久野先生?
馬喰の吉蔵?

どれもしっくりこないのですわ。
犯人としては不適切。

ヴァン・ダインの推理小説の20カ条によると
犯人は
最初から登場していて
重要人物!!

上記の容疑者はコレを満たしてない気が‥
少ししか出てこなかつたり、
さほど重要な資格がなかったり

双子の老婆は満たしているけど
老婆ですからねえ。

身内を手にかけたりするのはおかしいし、あまりにも多治見家の人が犠牲になってるので
辰也のことは後継者として気に入ってるようなので、
それを追い出すような脅迫状を書くとも思えない。

ハテナハテナハテナ❓

下巻を読んで犯人が正体を現した時は
開いた口が塞がりませんでした。

ヒェーーー。

ノーマークだったんで。

原作を読んだら

より、論理的でした。

漫画では端折った複雑な人間関係が出てきましたが

犯人のメモは推理小説界の世界遺産!!

手帳を破って書いた走り書き程度の
殺害リスト。

これが5人目の人物が殺された現場に落とされていて、
故意か失策か忘れましたが。

メモに書かれたのは
8項目。

馬喰
長者
医者
双子杉
住職
尼僧
長男


自信ないですけど、だいたいこんな8項目。

なぜ8項目かというと、
八つ墓村にちなんでのこと。

この村では8や8の倍数は
呪いの数字。

その項目には2人の人物が書かれ
どちらかにチェックマークが入り
殺されています。

正確には殺害現場にチェックマークの入ったメモがこれ見よがしに落とされていました。

そして後半は、
全項目のリストそのものを
犯人は落としてしまいます。

そのメモの筆跡は村に2人いる医者の1人
久野恒美のものでした。

その晩医者は失踪‥

この殺人者リストメモは
実は‥

お話はこの辺までにしておきますが
ホラーとロジックが見事に融合。

獄門島
悪魔が来たりて笛を吹くも
大傑作ですが、

私は八つ墓村が一番傑作だと思います。

欠点が少ないのです。

物語としてもミステリーとしても。
それでいて
迷路の鍾乳洞、落武者伝説、要蔵の32人殺し
多治見家の遺産相続

諸々のガジェットを搭載。

果たしてこれを

舞台化できるのか⁈

今日、東銀座の
演舞場にて公演を観に行ってきます。

感想をお楽しみに