こんばんは。

稲葉の白兎です。

明けおめから、早くも二十日が過ぎて
今日は1月23日。

いよいよ本格的な低気圧の到来。

明治に起きた悲劇・青森5連隊の八甲田山雪中行軍の出発日です。

本当に毎年この日以降はめちゃくちゃ寒くなりますね。

山岳ミステリというジャンルがありますが

推理小説ではないけど
新田次郎の」八甲田山・死の彷徨」は
面白かったです。

私めが子供だったころこの映画をテレビで
この時期よく放映されましたっけ。

お正月に見たことがあります。

死んだ父が弘前出身で

しかも高倉健演ずる徳島大尉と同じ町名。
弘前市在府町。

だからなのか、
父はこの映画が好きらしくて

2、3回は観てます。

上手く行ってる隊と上手く行ってない隊を
交互に見せる手法で描かれてます。

上手く行ってるほうは、
高倉健の隊。

女性を道案内に立て、
難なく踏破。

かたや上手くいってないほうは、
北王子欣也と三国蓮太郎。

父は「みんな、コイツのせいだ」と
三国蓮太郎を憎たらしそうに指摘。

あーじゃこーじゃと言い
それがいつも不正解。

ドツボにハマる三国連隊。

どうやら道に迷った様子。

雪まみれになって
難儀して
バタバタと人が倒れてく。

彷徨ですね。

え、まさか
遭難がメインの映画!?

最後に高倉健が助けに行くのかなあと思ったけど、
最後まで別働隊でしたね。

直立不動に雪の彫像と化した兵隊は
トラウマになりました。

この兵隊さんは死んだようで
死んでなかった。

救出されて蘇生しました。

「これが後藤房之助だ」と父は
知り合いでもないのに偉そうに言ってたのが
記憶に残ってます。

こういう遭難の話が映画になるなんて‥

なんか意外でした。

特にドラマもなく

白黒テレビみたいな色彩だし

高倉健のチームはいつも涼しげで

三国蓮太郎のほうは、
人数がたくさんいるせいなのか
いろんな意味で
ベタベタと暑苦しい。

暑くはないけどね。

何でアツチは上手く行ってるの?

何でこっちは道に迷ってるの!?



思ったのが
何で

案内人がいないの!!

楽しそうに道案内してた女の人!!

高倉健のほうは先に着いて、
村の子供たちが旗を振って
箱根駅伝の沿道状態。

何で褒められてるの?
旗まで振られて。

走ってないよ、あの人たち。

子供だったんで

民間を巻き込んでの演習というのが
理解不能でした。

エライさんたちはめでたしめでたしと
喜んでて 

「そういえば〇〇隊は?」

なんて、呑気そうな感じで

何の連絡や報告もないことがわかり、
うろたえだしました。

しかし、時すでに遅しで

もうかなりの人が死んでましたっけ。

その割にやたら長い映画で

子供自分の感想で、
きちんと最初から最後まで見てないし、

辛気臭い話、
映画にするほどのことか?
なあんて思ってました。

大人になって原作読みましたよ!

映画も驚きましたが
原作にはもっと驚きました。

2つの隊の明暗がやはり
主軸だったんですけど、

その違いすぎる違いに呆然。

上司の暴走を止められない神田大尉に


イライライライライライライライラ。

しかし、
高倉健側も
終盤に来ると順風満帆でもなく
ヒト山ありました。

7人の案内人がいなければ
どーなってたかわからない!

しかも映画の健さんと違って
ずいぶん酷い仕打ちをこの案内人たちにしている。

出発日の誤差が幸運

徳島隊も、また紙一重で
助かったという感じです。

つまり
巷でウンヌン言われる指導力、
リーダーシップの差がキモの小説ではないと
わかりました。

大きな、偉大なる自然の前では
能力の差、経験の差、人間の差など
問題ではないほどにさせています。

もし青森5連隊に
タラレバをつけるとして

天候の悪化を理由に
基地へ帰還命令を下せたか?

軍人としてムリでしょうね。

アホ少佐がいてもいなくても
装備に多少の色がついていても、

そり隊が大きく遅れた時点が
判断の分岐点だったかなと思います。、

あそこで中止に出来なかった時点で
5連隊の運命は決したんではないでしょうか?

その後
精神論や知識ではどうにもならない
急寒波が襲ってきたのですから。

その後、全く雪が止まず

飲まず食わす
寝ずで
数日生きて

11人も生存者がいたことが奇跡だとも思えます。

普通の人間なら数時間すら、持ちませんよ。


彼ら責任者の罪はまた別の問題

モヤモヤするのは
一つのことに原因があるわけではないから。

あと、
徳島隊の後味が良くなかった。

最初は良かったですからね。
事後談がポロポロ出るにつれ、

知らなきゃあ、よかった 
って感じですよ。

最後の、2丁の銃の話なんて、

ちょっとくどくて
余計だった気がします。


さらに戦争のことを考えると
2人や両チームには
わずかな時間の差があるだけで

死刑執行命令書には、
雪中行軍をした両連隊の参加者
全員の名前が書かれていたのと同じであると
言ってもいいですね。

わたくし個人的には
あの登場人物の中で

1人軍から別行動をとった
村山伍長がいいし、
生きててよかったと思いました。

緒形拳がやった役です。

自分の判断というものを大事にした
命を体を大事にした

この人は個人判断で防寒をしてました。

靴に唐辛子を入れたり新聞巻いてたり。

天が見放さなかった人です。

そうそう、
来月の文化の日の
渋谷での八甲田山のシネマコンサートを申し込みました。

北王子欣也、秋吉久美子のトークショー付き
生演奏プラス映画上映です。