こんばんは。

稲葉の白兎です。

ミステリ案内人です。

山口雅也さんの推理小説で
「生ける屍の死」という作品がそこそこ評判になったことがあります。

死者が生き返るルールでの推理小説というのは
察しがつきます。

読まなかったですけどね。

自分の中で許容できるか、自信なかったので。


さて、表題。
何でゾンビはアウトなのか?

念のため言い添えますと、
アウトと判断してるのは好みの問題です。


だから、

OKの人もいると思います。

私はダメです(笑)

別にゾンビが気持ち悪いからとか、
怖いからではありません。

怖くないです。

嫌いだから、でもないです。

嫌いというほど、対して嫌いではない。




空想科学小説は苦手だから、です。



未確認の武器や生物、毒物などが
フェアでないからですね。


本格推理は、

フェアが前提ですから。


例えば、
痕跡を残さない未知の毒物を使った殺人なんてのは
イヤです。

ゾンビは未確認の生物。


だって普通に考えて‥


死んだ者は生き返りはしなーーーいっっ!



ゾンビは不気味であるけれど
怖くはない。

それが問題!

怖くないミステリなんてイヤです。

ゾンビは怖くない。

だって死んでるし。

凶器を振り回したりしないし。

幽霊よりはヤバイかな、と思いますが。

正直、
ゾンビに対して興味がないんです。

だから、
ゾンビがいきなり野外のロックフェスで
繁殖した、
今村氏による「屍人荘の殺人」は、

本格推理を根本からくつがえすもので、

ちょっと自分的には、
話について行くにはムリだと思いました。

むろん、殺人犯は、
百パーセント、人間だと確信はしてましたが。

せっかくのクローズドサークルの
シチュエーションも、
一気に緊迫感がなくなってくるんですわ。

ゾンビに噛まれたら一巻の終わり‥
なんていうドキドキ感はまるでなかったですね。

コレ、私だけじゃないはず。

刑務所から脱走した狂った囚人にでもした方が
よっぽど怖かったと思いますが。

自分が犯人だったら、
ゾンビが別荘近辺に現れたら、
殺人は諦めます!

延期しまーす

改めて参上します。

この機に乗じて‥なんて発想はないですね。
やっぱり我が身も可愛いので。

しかも、犯人て
〇〇じゃないですか?

ゾンビとの呉越同舟はイヤですよ。

憎らしいカタキを
ゾンビがやっつけてくれるなら、
むしろ好都合じゃないですか。


そもそも他人のために復讐なんてするかな?

オッと話がそれた。




二階堂黎人氏による本格ミステリ

「人狼城の恐怖」も


オカルトテイストの空想科学は

出てきました。

ナチスの作った「人狼」の話が出てきました。

でも、
出てきたのは
アストラル兵士の話のみで、

ここ、重要、


実際に「青の狼城」に出てきたかどうかは
わかりません。

少なくとも、城で起きた殺人は
すべて、
人間の仕業でした。

当たり前ですけど(笑)。

城の訪問メンバーの中に
死者から死者へと渡り歩く
人狼が混ざってるぞ

という脅しの話で終わってました。

もう一つの双子の城

「銀の狼城」を訪問したメンバーの1人は
なぜかオオカミ男に変身しましたが、

それは、物語の最後のところなので、
話の根本を揺るがしたわけではないです。

「チッ、仕方ないな。納得できないけど、
許すとするか」

という仕置きとあいなりました。

所詮、一人だけですから。

人は殺さなかったし、
途轍もないことを成し遂げたわけでも
ありません。

変身しただけです。

チカラは持っていなかった‥

同じ空想科学でも、
だいぶ両者の判定は違いますね。

ゾンビはアウトーーー!!
笛、ピッピー

人狼
もしくはオオカミ男は、

今回だけは見逃してやるぜ
通過しろ!


てか、

奇怪な密室殺人のインパクトが

強すぎて、

人狼の話は、どうでもいいって感じでしたね。


何でゲルケン弁護士が人狼の話を信じ、

怯えたのか、それのほうがよほど滑稽です。