こんばんは。
いつものミステリ案内・稲葉の白兎です。
国内本格ミステリ人気作家に
有栖川有栖さんがいます。
なぜ人気か?
テレビ化されたのが大きいですね。
ゴールデンタイムで
長谷川京子なんて出てました。
二十面相のような悪役、敵役でしたが。
主役の有栖は、俳優の名前がわかりません。
あまりパッとするようなルックスではなかった。
わざとそういう人を選んだのだと思います。
作家・有栖川有栖の人気が出たのは
元ファンとして喜ばしいことです。
デビュー作「月光ゲーム」は、
エラリー・クイーンの
「Yの悲劇」が大好きなわたくしめには、
副題「Yの悲劇88"」がなんとも魅力的💗。
ソッコー買って読みましたよ。
しかも、昨日読んだこの人の短編作品の中に
「因幡の白兎」というニックネームが出てきました。
タイトルは「ABC殺人事件」。
正確には、それに近いタイトル。
もちろん、本家アガサクリスティのオマージュ作品です。
話が全然それました。
ブログタイトルは「XかYか?」
でしたね。
ある古典ミステリランキングを見ましたら
私の好きなYの悲劇が
なんと18位!!
低っっ!!
しかもXの悲劇がワンランク上だったのです。
XとY
好みの問題でしょうか?
確かに内容が全く違います。
X
舞台‥ニューヨークの満員の市電。
被害者‥敵が多い。株式仲買人
凶器‥ニコチンの毒針
雰囲気‥都会もの。ビジネスの人間関係。
殺人‥3つ
決めて‥Xというダイイングメッセージ
Y
舞台‥富豪の家。世間から嫌われている。
被害者‥その家の女あるじ
雰囲気‥犬神家にそっくり。ドロドロ。遺言。
殺人‥1つ
凶器‥マンドリン
決めて‥身長
衝撃度はエックスのほうが上。
(だと思う)
最後の一行にフリーズしてしまいそう。
犯人がわかつていれば尚更。
もともと、エラリー・クイーンて人は、
大のダイイングメッセージ・マニア。
死にぎわに犯人を指差すアレです。
あまり、メッセージもひねくり過ぎると
逆効果ですが。
エックスの悲劇の欠点は
ワントリックにかかつていること。
真夏の満員電車の中での殺人です。
ここである程度、犯人が限定されます。
そして2番目の殺人が
めちゃくちゃ退屈。
最後に犯人を指し示すダイイングメッセージ。
最初と最後だけが良い。
てか、最後のコレがやりたくて
長くて退屈な話(ごめん)を書いたのでしょう。
長編にする必要性を感じないというのが、
稲葉の白兎の見解。
ショートケーキのイチゴだけが立派な感じ。
それだけ頂戴な。
中のカステラは要りません。
それにひきかえ、
Yワイは
わかりやすい人間関係
変わった凶器
変わった証人
変わった証言
理路整然とした推理
探偵の苦悩
テレビドラマ化されたのも
大きいかもしれません。
それぞれの良さがありますが、
読みやすさは
断然Yです。
総合力的にYが上かと。
月光ゲームは、
ダイイングメッセージも登場します。
エラリー愛に溢れた作品ですね