こんばんは。
全7日間のうち、
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
兵隊島‥
不気味な名前ですね。
無人島ならなおのこと、行きたくないですね。
ロマンチックじゃないですね。
アガサ・クリスティのこの有名すぎる話は、
謎のオーエン氏が
兵隊島に貴方を招待しますという手紙をもらった
老若男女の約10人が
まだ見ぬ島のあるじに思いを馳せ、
意気揚々と島へやってくるところから始まります。
原作では「インディアン島」‥。
今では言葉の都合で
「兵隊」にされてしまいました。
初読がインディアン島だったものですから、
「兵隊島」と聞いて
ひどく落胆しました。
では
「人狼城ツアー」も
その意味ではヤバイですね。
二階堂黎人原作
「人狼城の恐怖」の第一部はドイツ編。
ドイツの製薬会社が懸賞で主催する
豪華国内旅行七日間の旅
この日程表を見てください。
ドイツ旅行の鉄板で申し分ありませんが
全7日間のうち、
後半の3日は
「人狼城滞在」とあります。
ちょっと待てよ。
人狼城⁈
そんなお城、聞いたことないですよね?
ドイツ人も日本人の我々も。
まるで
ノイバンシュタイン城見学
みたいにアッサリ書かれてますけど、
ちょっと待てよ
‥となりませんか?
人狼って何よ。
兵隊島が不気味だったら、
人狼城はもっと不気味ですよね?
初読の時は
そこに突っ込んでる余裕がありませんでした。
(笑)
見学ならまだしも
滞在ですからね。
3泊です。
尋常じゃないですよ、このツアー。
人狼城の占める割合が異常だーー
いくら抽選で当たっても
「人狼城」について、
「これって、どこやねん?
どんな城やねん?」
普通は調べたり、人に聞いたりして
安心を得るものでしょう。
恐らく調べても出てこないし、
誰も知りません。
キャンセルっていうか、
ふつうに
行くの辞めます(笑)。
ツアーメンバーの歴史オタクのヘルマン老教授は、
「人狼城の研究家」ということで、
抽選ではなく
主催社から「招待」されています。
このツアー客は、
「人狼城」と聞いてもビビリもせず、
むしろ好奇心たくましい人物の集まり
かもしれません。
どちらの開催地も
こちらの心配をよそに
定員割れしないようにできてるみたいです。
人狼城は結構、
インパクト強いです。
狼に襲われるイメージ。
あとはガイコツとか。
不吉です。
城の名前は
ツアー当日、発表でもいいような気がします。
招待状やチラシに「人狼」と書くのは
いかがなものか、です。
まあ皆さん、
結構ワケありですけどね。

