こんばんは。
ミステリ案内の稲葉の白兎です。
今日の都バスは
江戸川区の船堀をスタートとして、
亀戸、錦糸町、住吉、東雲、押上などを回りました。
江東区、墨田区、江戸川区。
残るは大田区と葛飾区。
まあ、そんな事はどーでもいいですね。
アガサクリスティの
「そして誰もいなくなった」は、
彼女の代表作のみならず
ミステリの金字塔!!
本格でもあり、
ホラーでもあり
サスペンスです。
伏線はあっても
推理の部分は、ないですね。
探偵いないですし。
なので本格推理なら
「Yの悲劇」を一位にしてもいいです。
そして誰もいなくなったを
模倣しない作家はいないというくらい、
沢山の物語の下敷きになっています。
ならば
当然、松本清張センセも影響を受けたかな?
いえいえ
少なくとも
松本清張氏のクローズドサークルものは見たことがありません。(笑)
犯人当てのものはいくつか書いています。
あの「砂の器」ですら、
犯人当てだったりします。
映画やドラマの影響で
皆、犯人が最初から分かっているようですが
原作には一言も〇〇が犯人だなんて記述はないし、
後半まで、コイツとこいつ、
どっちが犯人だろ!?
という展開でした。
犯人当ては結構な数
書いてます。
特に「ガラスの城」は
完全に
アガサ・クリスティ意識してるやろ?
ぐらいの本格、本格、本格ー!!
犯人、当ててみろーーー!!
必殺「どんでん返しーー」
短編「獄衣のない女囚」も、
何センセ、推理クイズなんて出しちゃってるんですか?
もしかすると
コレ
クローズドサークルですか?
でも舞台は
アパートですから。
あれ、独身寮だったっけ?
吹雪の山荘でも、
絶海の孤島でもないです。
しかも
一人、また一人、
童謡の歌詞どおりに‥なんて
コトはさすがにやらないんですよね。
見立て殺人は要らないとして、
ゲームのような
パズルのような
外部不介入のクローズドサークルものは
ないんです
残念。
アガサ・クリスティっぽいものは
散見されたんですが
エラリー・クイーンのような
「手がかりはすべて出した。犯人、だーれだ?」
「‥‥証明終わり。よって犯人は〇〇である!」
のようなものは、
全く書かれてないですね。
センセが気にしたのはリアリティですから、
変な会話、変な設定はそもそも眼中になかったようですね。
デビューが年齢的に遅いというのもあります。
稚気に満ちたミステリが書けるのは
やはり若いうちか⁈
高木彬光、森村誠一、西村京太郎、夏樹静子も
最初は本格ミステリを書いてました。
西村京太郎なんて特にそう。
名探偵シリーズや
「殺しの双極線」なんて、
ほぼアガサ・クリスティのオマージュ。
クローズドサークルは、
作り物っぽさがあるので
松本清張センセとは相性が合わないんでしょうね。
やっぱりセンセは
夜の銀座とか、農林水産省とか、ローカル線とか
そっちが似合いますかね。
クローズドサークルの欠点は、
同じ手口が使えないこと
ヒトのものはもっと使えないこと(笑)。
設定を考えるのが骨ということ。
(舞台、登場人物、動機)
つまり、本格専門の作家さんでさえ、
そうそう幾つも書けないのです。
だから皆さん、ある程度書くと
ホラーや時代小説や社会派に流れてしまいます。
湯けむりなんて一番描きやすいのでは?
ハハハハ
閉ざされた空間で
連続殺人事件
書いて欲しかったです。
書こうと思えば書けたはずです。
頭がいいのですから。